ベートーヴェンとゲーテ~再会編~
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
クラリネットとホルンとファゴット各2管による管楽六重奏がオリジナルで、1797年の年末、あるいは98年の年明けころに作曲されたと思われる。
同時期にピアノ編曲版が作成されている。
しばらく後には、フルート時計(オルゴールの一種)版編曲も作られている。このフルート時計版は《擲弾兵行進曲グレナディール・マルシュGrenadiermarsch》の愛称で呼ばれている。
全20小節で演奏も1分半に満たない作品だが、各部分が反復する8+4+8小節のa+b+a’の3部形式。付点リズムを生かした明るい行進曲。
解説:平野昭
管楽器6本による厚みのある響きと、付点のリズムが楽しい作品ですね。ピアノ編曲版もあわせて聴いてみてください。
「六重奏のための行進曲 変ロ長調」WoO29
作曲年代:1797年末~98年初頭(ベートーヴェン27〜28歳)
出版:1888年