「ピアノ・ソナタハ長調」――初恋のエレオノーレに贈った“やさしい”作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
初恋のエレオノーレに贈った“やさしい”作品「ピアノ・ソナタハ長調」
ボンを離れてウィーンに出たベートーヴェンは、すぐにエレオノーレに2曲の作品をプレゼントしている。ひとつは既にボンにいるころから着手していた《モーツァルトの「フィガロの結婚」から「もし伯爵様が踊るなら」の主題によるヴァイオリンとピアノのための12の変奏曲》WoO40であり、もうひとつはおそらく1749年ころから97年までの間に作曲された《やさしいピアノ・ソナタ、ハ長調》WoO51である。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)22ページより
以前ご紹介したヴァイオリンとピアノのための変奏曲とともに、平野さんがベートーヴェンの初恋の相手だったかもしれないと推測しているフォン・ブロイニング家の長女エレオノーレに献呈されています。
ピアノのテクニックが「やさしい」だけでなく、柔らかく優しい印象のこの曲。やはり、ベートーヴェンがエレオノーレに特別な感情を抱いていたのでは、と考えてしまいますね。
ピアノ・ソナタ ハ長調 WoO51
作曲年代:?1797~98年(ベートーヴェン27〜28歳)
出版:1830年ドゥンスト社
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