2020.04.15
おやすみベートーヴェン 第122夜【天才ピアニスト時代】
《愛の喜び》——フランス語の詩にのせた11小節の歌曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
フランス語の詩にのせた11小節の歌曲 《愛の喜び》
作詞者不詳のフランス語のテキストによる、わずか11小節のロマンス。タイトルはないが、歌い始めの言葉「愛することの喜びPlaisir d’aimer」から一般に《愛の喜び》と呼ばれている。「愛することの喜びは優しい心を求めるもの、それなのにあなたはわたしを恐れさせる、わたしに憩いも幸もない」と歌う。
1798年末から99年年明けにかけてのスケッチが残されている。
ト長調、4分の4拍子で、アダージョによるゆったりとした歌唱は9小節と短いが、中間部で一瞬ニ長調に転調する身振りを見せたり、後奏で32分音符による繊細な情感の揺れが聞かれる。
解説:平野昭
フランス語と曲の雰囲気が重なり、やわらかい印象の作品に仕上げられていますね。繊細な情感が表現されていて、短いながらにベートーヴェンの才能がよくわかる作品です。
作品紹介
《愛の喜び》WoO128
作曲年代:1798/99年(ベートーヴェン28/29歳)
出版:1902年3月
おやすみベートーヴェン
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