2020.07.12
おやすみベートーヴェン 第209夜【作曲家デビュー・傑作の森】
「想い」——ベートーヴェンの大切な詩人の歌詞による歌曲
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ベートーヴェンの大切な詩人の歌詞による歌曲「想い」
曲名の「想い」は「君を思う イッヒ・デンケ・ダイン」という歌いだしによる。
「僕は君を思う、夜鶯の歌が森に響くとき。君はいつ僕のことを思うの? 僕は君を思う、黄昏の光の中で、暗い泉のほとりで。君はどこで僕のことを思うの?」
1802年に出版された『チュービンゲン音楽年鑑』収録の『マティッソンの詩集』にある5節の詩による。有節歌曲のような前半だが、繰り返しではなく82小節の通作歌曲。1804年か05年に作曲されていた最初の稿は失われ、現存するのは1808年の秋の完成稿。
解説: 平野昭
「奉献歌」で、ベートーヴェンが生涯大切にした詩人として紹介した、フリードリヒ・フォン・マッティソン(1761~1831)の詩による歌曲です。穏やかなピアノ伴奏に切々と歌われる美しい旋律をお楽しみください。
作品紹介
「想い」WoO136
作曲年代:1808年(ベートーヴェン38歳)
出版:1810年3月(ウィーン)
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