プレイリスト
2020.07.13
おやすみベートーヴェン 第211夜【作曲家デビュー・傑作の森】

「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 第1楽章」——演奏会の1ヶ月前に着手、ソリストは初見で演奏?

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ
編集協力:水上純奈

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演奏会の1ヶ月前に着手、ソリストは初見で演奏?「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 第1楽章」

ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」。本日は第1楽章、明日は第2、第3楽章と、2日間に分けてお届けします。

11月下旬には急な作曲依頼が飛び込んできて、12月23日に初演が予定されている演奏会のために、急遽ヴァイオリン協奏曲を作曲することになった。わずか1ヶ月ほどで作曲されたヴァイオリン協奏曲の自筆スコアには「par Clemenza pour Clement お情けによりクレメントのために」というベートーヴェン一流の駄洒落的な語呂合わせの献辞が記されている」(ただし、出版譜はシュテファン・ブロイニングに献呈)。チェルニーは後日「協奏曲は初演直前の非常に短い期間で作曲されたので、クレメントは独奏部を初見で演奏した」と伝えている。これは決して誇張ではないだろう。11月18日にブライトコップフ・ウント・ヘルテル社に宛てた手紙には、ヴァイオリン協奏曲を仄めかすような言葉ひとつないことから見ても、着手が11月下旬であったことは確かだ。

——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)91-92ページより

ベートーヴェンは、生涯でヴァイオリン協奏曲を2つ書いています。1曲目は22歳頃に書かれたとされる「ハ長調」WoO5、2曲目がこの「ニ長調」作品61です。「ハ長調」では作曲に2年ほどかけているのに対し、「ニ長調」はわずか1ヶ月という短い期間で書かれました。

初演は12月23日、ソリストを務めたクレメントの受益演奏会でした。独奏部を初見で演奏してみせたというクレメント。彼は一体どれほどの名手だったのでしょうか。

作品紹介

「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調」Op.61

作曲年代:1806年11月〜12月23日(ベートーヴェン35〜36歳)

初演:1806年12月23日

出版:1808年美術工芸社(ウィーン)

平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)

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