25のアイルランド歌曲集——ベートーヴェン初の民謡編曲集!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ベートーヴェン初の民謡編曲集! 25のアイルランド歌曲集
1.ウルスターヘの帰郷
2.歌の妙なる力(ニ重唱)
3.もう一度挨拶を
4.朝風が頬をなで
5.グレンコーの虐殺に
6.どうすればこの愛を示せるのか(ニ重唱)
7.あの人の小船は輝く波に乗って
8.さあ、楽しく輪になって
9.兵士の夢
10.逃亡者(合唱付)
11.あなたは誠実そのもの
12.イングランドのバラ
13.荒れ狂う海を見つめて
14.ダーモットとシーラ
15.思い悩む若者たちよ
16.君の苦悩を隠さないで
17.いたずらにこの寂しさに(ニ重唱)
18.人は言う、愛しいダーモットを見捨てろと(ニ重唱)
19.女房、子供、友人(ニ重唱)
20.さようなら喜び、さようならナンシー(ニ重唱)
21.朝は残酷な騒ぎ
22.幸せな故郷ガリオンより
23.私はさすらいのジプシー
24.トローの歓迎
25.ああ、エリンの竪琴よ
ベートーヴェンは1806年ころから20年ころまでに、180曲ちかい民謡編曲を行っている。その中心をなすのはスコットランド、アイルランド、ウェールズといったイギリス各地の民謡およそ130曲ほどだ。18世紀末のヨーロッパでは各国で民謡への関心が高まっていた。その背景には啓蒙思想と近代的な国家形成へと向かう民族自決の意識の芽生えがあった。民謡はそれぞれの民族の伝統的な生活文化と歴史文化そのものであり、だれにも郷愁感を抱かせるという特性を有している。とくにイギリスでは早くからスコットランドやアイルランドの民謡が好んで愛唱されていたため、民謡旋律集などが出版されていた。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)264ページより
イギリスの民謡収集家からの依頼によって、スコットランド民謡にベートーヴェンがピアノ、ヴァイオリン、チェロの伴奏を作曲しました。
歌詞は、『ロブ・ロイ』や『美しきパースの娘』で知られるスコットランド出身の小説家、詩人のウォルター・スコット(第1、5曲)や、スコットランドの国民的詩人であるロバート・バーンズ(第3、13、17曲)によるものです。
25のアイルランド歌曲集WoO152
作曲年代:1809年〜13年(ベートーヴェン39〜43歳)
出版:1814年3月(ロンドン)
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