「交響曲第7番 イ長調 第2楽章」——喝采と陶酔の中でアンコールされたアレグレット
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
喝采と陶酔の中でアンコールされたアレグレット「交響曲第7番 イ長調 第2楽章」
昨日から続いて「交響曲第7番 イ長調」の第2楽章をお届けします。この曲はリヒャルト・ワーグナーが後年、曲の速度記号をとって「不滅のアレグレット」と呼んで賞賛するなど、人気の高い曲です。1813年12月8日、ウィーンで行なわれた初演の様子はどんなものだったのでしょう。
12月8日のコンサートは完全な受益ではなく、ハーナウ戦役傷病兵救済チャリティー・コンサートを兼ねたものとなった。《ウェリントンの勝利》と交響曲第7番「イ長調」の公開初演をメイン・プログラムとしたこの演奏会は空前絶後の大成功を収め、4日後の12日にも再演される。
(中略)
作品と演奏そのものに対する評も「喝采は高まり、陶酔にまで達した」とか、「交響曲(第7番)のアレグレット(第2楽章)などは、両日の演奏会でダ・カーポのアンコールを求められた」といった称賛の言葉が並んでいる。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)110ページより
当時の演奏会では、コンサートの途中であっても聴衆が気に入った曲をアンコールすることはよくあったことのようです。当時からこの作品は人気だったのですね。
ウィーンが熱狂した「アレグレット」をどうぞ!
「交響曲 第7番 イ長調」Op.92
作曲年代:1811年11月〜12年5月(ベートーヴェン40〜41歳)
出版:1816年11月S.Aシュタイナー社(ウィーン)
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