すずき・だいすけ 鈴木大介
作曲家の武満徹から「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と評されて以後、アンサンブルとコンチェルトを含む膨大なレパートリーでの、明晰な解釈力と洗練された技術など、多くの点で常に注目を集めている 。
1992年、スペイン・バルセロナのマリア・カナルス国際コンクールで第3位、93年のアレッサンドリア市国際ギター・コンクールでは優勝を果たした。
現代音楽の初演も多く、武満徹作曲「森のなかで」「スペクトラル・カンティクル」の世界初録音を始め、これまで、池辺晋一郎、西村朗、猿谷紀郎、伊左治直、林光、酒井健治、渡辺香津美ら多くの作曲家による新作を初演している。
近年はタンゴやジャズ、また自作品によるライヴ演奏も行い、2016年に録音が発売され、翌年出版もされた「12のエチュード」他の自作品も絶賛された。また多くの名曲のアレンジは録音でもコンサートでも好評で、内外のギタリストにも提供され、各地で演奏されている。
美術館でのコンサートも数多い。特に都立現代美術館での「田中一光展」(2003年)、国立新美術館での「オルセー美術館展」(2010年)、ブリヂストン美術館での「ドビュッシー、音楽と美術展」(2012年)では、展示作品のテーマに即したプログラムをプロデュースし、大きな話題となった。
30作以上ある斬新なレパートリーと新鮮な解釈によるアルバム制作はいずれも高い評価を受け、『カタロニア讃歌~鳥の歌/禁じられた遊び~』は2005年度芸術祭優秀賞(レコード部門)を受賞。2011年の板倉康明指揮 東京シンフォニエッタと初演した西村朗「天女散花」のライヴ盤は同年度のレコード・アカデミー賞現代音楽部門を受賞した。2021年9月アールアンフィニ レーベルからの発売の最新作 『ギターは謳う My Guitar’s Story』 では、武満徹編のポピュラーソング集「12の歌」を20年ぶりに再録。ディアンス編のシャンソンや自編のジャズ・スタンダードとピアソラ作品を併録している。
武満徹の映画音楽をギター(またはギター・デュオ)のために原曲のスコアからアレンジするプロジェクトを1999年より継続的に行っており、これまでに3タイトルのCD(『どですかでん』『夢の引用』『森のなかで』)を発表。
楽譜は現代ギター社から『12のエチュード』『キネマ楽園 ギター名曲集』『Daisuke Suzuki The Best Collection for Guitar solo』を発売。2021年2月には、武満徹没後25周年を記念して、『武満徹 映画とテレビ・ドラマのための音楽 鈴木大介によるギター編曲作品集』が日本ショットより出版された。
横浜生まれ。洗足学園音楽大学客員教授。ギターを市村員章、福田進一、尾尻雅弘の各氏に、作曲を川上哲夫、中島良史の両氏に師事。ほかに、ザルツブルク・ モーツァルテウム音楽院においてエリオット・フィスク、ホアキン・クレルチの両氏に師事。
第10回出光賞、第56回芸術選奨新人賞を受賞。
公式ウェブサイト https://www.daisukesuzuki.com/
ブログ http://daisukesuzuki.at.webry.info/
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