読みもの
2020.06.11
飯田有抄のフォトエッセイ「暮らしのスキマに」File.12

ひょっこり顔をのぞかせた紫陽花と、ヨーゼフ・シュトラウスの挨拶

飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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紫陽花の見頃も、そろそろフィナーレを迎える時期ですね。

人間の頭よりも大きなくらい、見事にまぁるく咲いた立派な紫陽花もありますが、塀の隙間からひょっこりと小さく顔をのぞかせる、可愛らしい紫陽花を見かけました。

「やぁ、元気?」

と気さくに突然話しかけられたような気分になって、思わずニコッとしてしまいました。

小さなカメラを鞄の中に忍ばせていることが多いので、この日も記念に撮影しておきました。

ありがとう、可愛い挨拶。

私からも小さなグリーディングカードを送るような気分で、こんな曲を選んでみました。

「挨拶」とくれば、エルガーの名曲「愛の挨拶」有名ですが、こちらも朗らかで楽しい気分になれる挨拶。

ヨーゼフ・シュトラウスの「ポルカ・フランセーズ“芸術家の挨拶” op.274」です。

ヨーゼフ・シュトラウスは、“ワルツの父”と称されたシュトラウスI世の次男であり、“ワルツ王”のシュトラウスII世の弟にあたります。「父」と「王」の影に若干隠れ気味のヨーゼフですが、実は兄も認める優れた才能の持ち主。音楽好きの方々の中にはヨーゼフ・ファンも少なくありません。

ワルツ界のシューベルト」とも称されるほど、歌心にあふれた作品を数多く残した、彼からの「挨拶」をどうぞ。

ヨーゼフ・シュトラウス(1827-1870)。「鍛冶屋のポルカ」は、ウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで取り上げられることの多い曲のひとつ。
ヨーゼフの父で、“ワルツの父”と称されたシュトラウスI世(1804-1849)。代表曲に「ラデツキー行進曲」がある。
「美しく青きドナウ」の作曲で知られる、ヨーゼフの兄、“ワルツ王”のシュトラウスII世(1825-1899)。
飯田有抄
飯田有抄 クラシック音楽ファシリテーター

1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...

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