読みもの
2021.09.04
My楽器偏愛リレー! vol.23 coba

アコーディオン自慢その2:音の強弱や音楽表現のすべてを握る蛇腹

アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、ヴァイオリンの千住真理子さんよりバトンを受け取ったcobaさんによるアコーディオン自慢です。

coba
coba アコーディオニスト・作曲家

1959年4月29日生まれ。3歳から音感教育で音楽に接し、18歳でイタリアに留学。アコーディオンの頂点を目指す学生が世界各地から集結する名門校、ヴェネツィアのルチアー...

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呼吸する蛇腹の魔法

アコーディオンの中には、1000枚以上のリード(金属の薄い板)が仕込まれていて、左右の鍵盤やボタンを押すことで、そこに空気が送られて音が出ます。リードは人間でいうところの声帯です。

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そして、この空気を送り込む部分こそがアコーディオンの心臓部である蛇腹です。人間の肺ですね。この蛇腹の操作によって音の強弱やアタック、クレッシェンドやディミヌエンドが操作できます。

昔タモリさんの音楽バラエティ番組で「アコーディオンの極意は蛇腹8年!」と発言して大ウケしたことがありますが、まんざら冗談でもなく、この蛇腹による空気のコントロールとキー操作のコンビネーションこそが、この楽器の音楽表現のすべてです。

ビブラートやポルタメント、あるいは蛇腹を高速で開閉させるベローズシェイクなど、現代音楽でよく使われる特殊な技法も、基本はすべてここから生まれてきます。蛇腹をいかにうまく開閉させて空気と同化できるかが、表現力のキーになってきます。弦楽器の弓と似ていますね。

昔から名アコーディオニストには左利きが多いと言われるのも、蛇腹を左手のみで操作するところに由来しているのでしょう。空気を自分の味方にして表現し尽くす技、これぞアコーディオンの醍醐味でしょう。ちなみに僕は左利きです(笑)。

アコーディオンの魅力を味わう作品

coba:家族の肖像
アルバム「The Accordion」は全曲アコーディオンソロで録音。
サビのメロディはアコーディオンを呼吸させるために書きました。楽器が自ら空気を吸いながら哀愁を謳い上げます。

coba『The Accordion』

3年ぶりの全曲オリジナルによるソロアルバム。
『The Accordion』は、60歳を迎え、ますます精力的に活動の幅を広げる"油断のできないオトコ" cobaの何と!通算43枚目のアルバム。自らの原点に立ち戻った上で、クリエイティブの新たな境地を作り上げたcobaのオリジナル楽曲をアコーディオン1台のみで表現する意欲作。
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coba アコーディオニスト・作曲家

1959年4月29日生まれ。3歳から音感教育で音楽に接し、18歳でイタリアに留学。アコーディオンの頂点を目指す学生が世界各地から集結する名門校、ヴェネツィアのルチアー...

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