ピアニストの牛牛さんが17歳の頃のインタビューで筋トレをした話
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
先日、ピアニストの牛牛(ニュウニュウ)さんに久しぶりにインタビューをしました。
『Fate&Hope』という新しいアルバムをリリースしたばかり。ベートーヴェンの交響曲第5番《運命》のリストによるピアノ編曲版と、ピアノ・ソナタ《悲愴》、《月光》そして、自身が作曲した即興曲第1番《Hope(希望)》が収録されているという意欲作です。
ベートーヴェンの交響曲第5番《運命(Fate)》のPV
牛牛『ベートーヴェン:フェイト&ホープ』
牛牛さんといえば、最近ショパンコンクールの影響で再び話題になっている一色まことさん原作『ピアノの森』のアニメ版で、主人公、一ノ瀬海の強力なライバルであり、波乱の人生を送ってきた中国人ピアニスト、パン・ウェイの吹き替えピアノを担当しています。
ちなみに、パン・ウェイが幼少期からプロを目指せと刷り込みのように聴かせられ、憧れた演奏は、カイの才能を見出して育てた元天才ピアニスト、阿字野壮介によるもの。そしてアニメ版でこの阿字野のピアノを担当しているのが、今回ショパンコンクールで2位になった、反田恭平さんであります。
牛牛さんの新しいインタビュー記事は、後日「uDiscoverMusic」のサイトに公開されると思いますので、そちらをお読みいただくとして、ここでは牛牛さんの思い出を少々ご紹介したいと思います!
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牛牛さんは、1997年、中国福建省、ピアノ普及率が高いことから音楽の街として知られるアモイ生まれ。8歳から上海音楽院で学び、10歳でEMIクラシックスと最年少で契約し、話題となりました。そのデビュー時の少年の姿が記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。私も牛牛さんというとどうしても、当時編集部にいた月刊ショパンの表紙で、上海タワーを背景に蛍光グリーンのシャツ姿で写真におさまっていた姿をまず思い出します。
そんな牛牛さんも、現在24歳。スラリンと背が高くなって、185センチ以上はあるのではないかと思います。そしていつもなんとなくファッショナブル。美意識高そう。
今回インタビューは久しぶりだったと書きましたが、思い起こすと前回は7年前、彼が17歳の頃でした。
早くデビューした神童あるあるかもしれませんが、彼もティーンの頃に一時はピアノを弾く意味を見失い、悩んだといいます。前回取材したのは、ちょうどその時期を抜け出して新しい一歩を踏み出そうとしていた頃だったっぽい。17歳にして、「音楽のほかにもさまざまな知識を持ち、社会に貢献できるピアニストになりたい」と話していました。
今回、7年ぶりだったし、他に彼の取材をしたことはなかったので覚えていないかな? と思ったのですが、「あー覚えていますよ。筋トレをした……」と言われて、むしろ私も忘れていた事実を思い出しました。
そう、当時の牛牛さんは筋トレにハマっていて(服をきれいに着こなすために筋トレしている、と言っていた)、私も比較的運動が好きなものですから、どんなトレーニングしてるの? と聞いたら、ハードめの腕立てなどをやって見せてくれたんですよね……事務所の床に手をついて。
そりゃ覚えてるわ、と思いましたね。あまりおかしなことをさせると、こうして変に記憶されてしまうので、気をつけようと思いました。おもしろいけど。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:
交響曲 第5番 ハ短調 作品67《運命》(リスト編曲ピアノ・ソロ版)
ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13 《悲愴》
ピアノ・ソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27の2 《月光》
ニュウニュウ:
即興曲 第1番《HOPE(希望)》
photo: ©Paul Tsang@UN Workshop
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