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2025.11.13
名曲解説100

30秒でわかるエルガー:行進曲《威風堂々》第1番

エルガー:行進曲《威風堂々》第1番について30秒で丸わかり♪

寺西基之
寺西基之

1956年生まれ、上智大学文学部を卒業後、成城大学大学院で西洋音楽史を専攻し、修士課程を修了。大学院在学中より音楽評論活動を始め、CDライナー、演奏会プログラム、音楽...

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イギリスの近代音楽の基礎を築いた作曲家エドワード・エルガー(1857~1934)の音楽は、様式的には後期ロマン派の流れを汲んでいます。ことさら民族主義的な特色を打ち出す姿勢は示さなかったものの、その高貴な作風は当時の大英帝国の精神を具現化したものといわれ、愛国的な作品も数多く生み出しました。

5曲からなる管弦楽のための《威風堂々》(原題は“Pomp and Circumstance”でシェイクスピアの『オセロ』の台詞からとられています)も愛国的な行進曲として作曲されたものです。

5曲の中でもとりわけ広く親しまれているのが第1番です。まさに威風堂々という形容がぴったりの壮麗で力強い主部に、大らかな旋律による中間部が挟まれるという3部形式をとっており、コーダとして中間部の主題が回帰した後、最後にまた主部の主題が現れて締め括られます。なお中間部の主題はのちに歌詞が付けられて、イギリスの国民的愛唱歌《希望と栄光の国》として親しまれるようになりました。

エルガー:行進曲《威風堂々》第1番

作曲年:1901年

演奏時間:約6分

編成:ピッコロ2(第2は任意)、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、バス・クラリネット1、ファゴット2、コントラファゴット、ホルン4、トランペット2、コルネット2、トロンボーン3、テューバ1、ティンパニ、小太鼓、大太鼓、シンバル、トライアングル、グロッケンシュピール(任意)、スレイベル、ハープ2、オルガン、弦5部

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