小林愛実 パリで新たなスタート ピアニストが日々受ける刺激や心境を追う楽しみ
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
『音楽の友』の新連載「小林愛実ストーリー」
現在発売中の月刊誌『音楽の友』8月号から、小林愛実さんの新連載が始まりました! 私はお話のまとめ係をしております。
9歳で国際デビュー、14歳でメジャーレーベルからレコードデビューし、子どもの頃からプロの演奏家として舞台に立ち続けてきた愛実さん。
昨年26歳の時ショパン国際ピアノコンクールに入賞していっそう注目を集めましたが、すでに長いキャリアの中でいい時もそうでない時も経験してきた彼女だけに、“ここからがスタートだ”、“今注目されていても勉強し続けなくてはいけない”という自覚が、すごく実体験に即しているというか、同世代のコンクールの成功者以上にとても強いように思います。
というわけで始まった連載「小林愛実ストーリー」は、この秋からパリに拠点を移して新しい勉強を始める愛実さんの日常、日々の中で受ける刺激、そしてもちろん、世界各地でのコンサートでの出来事を、自然体で話してもらう、というもの。
私のほうでは、雑談混じりで行なっているインタビューの中から、これは書いても大丈夫だという話を抽出し……というのは半分本当、半分冗談ですけれど、自然体のお話の中に突如出現する音楽的な刺激を感じたエピソード、素直な心境を表現する言葉を集めて、まとめるということをしています。
ベートーヴェン「ピアノ協奏曲第4番」のエピソード
『音楽の友』8月号の第1回でご紹介しているのは、ショパン・コンクール直後からのハードな日々や、再び弾くのが怖かったというベートーヴェンの「ピアノ協奏曲第4番」のお話など。
ちなみに私が愛実さんに初めて会ったのは、彼女にこのベートーヴェンの4番への苦手意識を植え付けることになった2015年の某公演のリハーサル直後でした。それはショパン・コンクール直前のことで、現地取材でお世話になるだろうからと、ご挨拶をしに楽屋を訪ねたときのことでした。
愛実さん、初めて会ったのに、泣いていたんですよね。まだ19歳だったから……懐かしい。
今ではすっかり強くなりました。そしてこの作品が大好きになった、というお話も、連載の中では出てきます。
愛実さんのこうなっていきたいという決意が語られる連載
今後は、パリの部屋探しの話、師事することになるレナ・シェレシェフスカヤ先生(カントロフなどの先生としても知られている名教師です)の細かすぎる素敵レッスンの話、そして夏の音楽祭に出演する中でのエピソードなどをお届けしていく予定です。
今の愛実さんが感じていること、こうなっていきたいという決意がたびたび語られるこの連載。ある程度の期間にわたって続く予定ですので、彼女が最初に言っていたことと最後に言っていることが、まったく違うものになっている可能性もあります。人の考えというのは変わりますから。
そんなところも含めて、毎月、愛実さんの身の回りに起きる出来事や感情の変化を楽しみに、お読みいただけたらと思います!
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