音大の入試・受験対策におススメ! 本、参考書、Webサイト
音大受験を決めたら、さっそく受験対策を始めましょう! 当「音大ガイド」では音大の受験対策についても紹介していますが、実際にどのような教材を使ったらよいのでしょうか? ここでは科目別に、おススメの音大受験対策用の教材を紹介します。
*記事は内容の更新を行っている場合もありますが、基本的には上記日付時点での情報となりますのでご注意ください。
執筆:堀内亮(音楽大学講師)、荒木淑子(音楽ライター)、各編集グループスタッフ。音楽之友社および『音楽大学・学校案内』編集グループは、1958年に年度刊行書籍『音楽大...
楽典
◎定番中の定番!
『新装版 楽典 理論と実習』
石桁真礼生、末吉保雄、丸田昭三、飯田隆、金光威和雄、飯沼信義 著
音楽之友社
1965年4月発行より50年以上のロングセラーを続ける、「楽典」の教科書的な存在。作曲家たちによる、音楽の基本ルールを解説した理論はていねいでわかりやすいうえに、随所に挟まれた「問題」を実際に解くことで、さらに理解は深まります。巻末には実践的な問題集(「音名と譜表」「音程」「音階と調」「移調」「調の判定」「総合問題」など)が付き、本格的に「楽典」の勉強に取り組もうという音大受験生におススメの一冊。別冊の解答付き。
◎初心者にも分かりやすい
『解いておぼえる わかりやすい楽典 問題集 くわしい解説・解答つき』
川辺真 著
音楽之友社
楽典の問題に初めて取り組む入門者に向けて、問題を考える道筋をていねいに示す解説が特長。別売の『音符と鍵盤でおぼえる わかりやすい楽典』と対応した書き込み型の問題集。その解説でも分からなかった場合は『音符と鍵盤でおぼえる わかりやすい楽典』でより深く学んでいけます。「コードネーム」についても一つの章を使ってくわしく説明され、ポピュラー系の音大受験生にとっても役に立ちます。問題の解答は巻末に掲載。
◎楽典をこれから学ぶ人に
『CD付 いちばん親切な楽典入門』
轟千尋 著
新星出版社
楽典を初めて学ぶ人や、今まで挫折してきた人も理解できるよう、わかりやすく簡潔に書かれています。付録のCDには、本書で紹介されている譜例、名曲、著者オリジナル曲の演奏が収録。音楽を聴きながら楽典の学習を深めることができます。「黙読のススメ」という章もあり、楽譜を読む力を育みます。吹奏楽部の中高生にもおススメ。
◎図と楽譜でコンパクトに説明
『一目瞭然! 目からウロコの楽典
〜図解入り解説&問題集(解き方ヒント付き)〜 基礎編』
佐々木邦雄 著
ヤマハミュージックメディア
著者は主宰する音楽教室「ケー・エス・ミュージック」で、ソルフェージュ指導を中心に作曲・理論・楽典などのレッスンを行い、毎年多くの生徒を音高・音大に進学させている指導者。その実践のなかから生まれた、“見てわかる”楽典本。体系化された図と楽譜が、1項目見開きでレイアウトされていて理解しやすくなっています。項目別問題集とその解答集にも“ポイント”や解き方のヒントが付き、楽典入門者の中学生から音高・音大受験生まで幅広く使うことができます。
◎実作品を通して楽典を学ぶ
『フォルマシオン・ミュジカル 名曲で学ぶ音大入試の楽典』
舟橋三十子 著
音楽之友社
音大入試の楽典は、実際の作品から問題が出題されることも多いですが、それに対応する問題集が本書。フォルマシオン・ミュジカルとは、名曲やよく知られた曲をテキストにして、音楽家が身に付けるべき広い教養と創造性を養う学習方法です。『名曲で学ぶ音楽の基礎I』『同Ⅱ』の続編。各章は、例題(実際に出題された入試問題)→解説→応用問題という構成になっています。「音階」「音程」「調判定」「非和声音」など、毎回2つのテーマが取り上げられ、解説で基礎からくわしく説明されています。
視唱
◎まずは基礎を身に付けよう
『改訂新版 高校生のソルフェージュ』
田島秀男 著
音楽之友社
音楽の基礎やソルフェージュを、実際の楽譜の中で体験し、活用しながら、段階的に学習できる教本。系統立てて編成されているので、目標が明確で取り組みやすいです。視唱のほか、リズム打ち、聴音、創作、楽譜への書き込み問題などにも取り組むことで、相乗的なソルフェージュ力を育成していくことができます。過去問や応用問題に取り組む前に、基礎力を養うのに最適。
◎入門は原書の抜粋版で
『コールユーブンゲン 学生版 解説つき』
音楽之友社 編
音楽之友社
入試課題曲にも使われる「コールユーブンゲン」は、ドイツの音楽家、ビュルナーによる「合唱練習曲」と題された声楽教本。各例題とも音程、リズム、読譜などを段階的にゆっくり学べるように作曲されている入門書で、アクセントの位置やブレスの位置も楽譜に書き込まれています。この「学生版」は原書の例題を厳選した抜粋版で、基本的な部分だけを短時間で練習したい場合に手軽に使うことができます。解説付き。
聴音
◎はじめて聴音に取り組む際のヒントに
『音大受験生のための パーフェクト・ソルフェージュ
【旋律聴音編】聴音課題CD・オリジナル五線紙付』
音大進学ゼミナール 編
ドレミ楽譜出版社
多くの音大受験生を指導してきた「音大進学ゼミナール」の長年の研究が生かされた聴音問題集。付録のCDには課題の一部が収録されているので、一人でも課題に取り組むことができます。さらに、聴音の入門者でも取り組みやすいように作られたもう一つの付録「オリジナル五線紙」は、部分的に音符を書き込む形式の特別な五線紙。初級から上級まで約200課題。姉妹編に『パーフェクト楽典・問題集』があります。
和声
◎和声の定番教本
『和声 理論と実習』Ⅰ~Ⅲ巻、別巻
島岡譲 執筆責任/他 著
音楽之友社
東京藝術大学音楽学部の和声の集団授業のために編纂され、以来、半世紀以上日本中で使われている、和声学習の定番教本。Ⅰ~Ⅲの各巻では、複雑な理論を筋道立てて解説し、小問題や課題を豊富に掲載。別巻はⅠ~Ⅲ巻に含まれる主要課題の和音度数と実施例を示しています。本格的な力を付けたい人におススメ。
◎インターネットで採点・再生できる
『ネットで採点 和声学課題集Ⅰ』
『ネットで採点 和声学課題集Ⅱ』
清水昭夫 執筆責任/佐藤昌弘、久行敏彦、山田武彦 著
音楽之友社
インターネットで解答を採点・評価・再生できる和声学課題集。本書掲載のすべての課題について、ネット上で次の5つの機能を無料で利用できます。1 自動採点 2 連結判定 3 再生 4 長調・短調の入れ換え 5 解答の保存・再現(後に紹介する「洗足オンラインスクール・オブ・ミュージック」の和声学学修支援システム「和声の祭典」で提供)。和声理論については必要最低限の要点や用語をわかりやすく解説しています。
小論文
◎音大入試でも小論文は重要
『何を書けばいいかわからない人のための 小論文のオキテ55』
鈴木鋭智 著
KADOKAWA/中経出版
「小論文」の試験を受けるすべての受験生のための参考書。小論文を書く以前の問題に悩む受験生たちに向けて、小論文には必ず「正解」があると、小論文の基本的な考え方を説いています。音大受験では演奏実技に向けた対策ばかりを考えがちですが、専攻や入試方法によっては小論文が重要な入試科目の場合もあります。著者は元・代々木ゼミナール国語科講師で、文章はとてもカジュアル。日頃、本を読み慣れない高校生でも取り組みやすいはず。
あがり対策
◎実技試験は一発勝負
『もっと音楽が好きになる こころのトレーニング』
大場ゆかり 著
音楽之友社
入試ではだれでも、自分の実力を発揮できるかどうか不安になるもの。著者はスポーツ選手や音楽家を対象とした心理的スキルトレーニングなどの研究を行い、現在は音大で「メンタルトレーニング入門」などを担当しています。受験生だからこそ練習ばかりするのではなく、「あがり」を防ぐための心のトレーニングにも取り組み、入試を突破できる「練習力」「本番力」「演奏力」を獲得しましょう。
過去問題集
◎各音大の過去問と解答・解説
『音楽大学・高校 入試問題集 国公立大・私大・短大・高校・大学院』
音楽之友社 編
音楽之友社
全国の音楽を学べる学校にて実施された、最新年度の入試問題をまとめた、唯一の過去問題集。各学校の入試問題を統一レイアウトにて一望できることと、解答例・解説を付していることが特徴です。音楽関係科目のほか、難関校については国語、英語、小論文を掲載。楽典・邦楽楽典・国語・英語には、学校作成もしくは解説者による解答例、および解説者による解説が付いています。巻頭には、毎年入試に即した特集を掲載。
辞典
◎持ってきたい!音楽用語辞典
『アルファベットで引く 6か国語音楽用語辞典
イタリア語・英語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・ラテン語』
久保田慶一 監修/音楽之友社 編
音楽之友社
約5500語と、楽典問題や、演奏するうえで必要な音楽用語を幅広く収録しています。アルファベット順に引けて、言語の種類、カタカナ発音、意味を調べることができます。巻末には、音名、略語、略号、楽器、数詞の一覧を収録。アルファベット表記のわからない音楽記号、略語、見覚えのない楽器名などもすぐに調べることができます。正確さ、見やすさ、手軽さが追求された一冊で、音大進学後も役立つこと間違いなし!
◎持ち歩きできる音楽辞典
『新編 音楽小辞典』
金澤正剛 監修
音楽之友社
携帯しやすい、ハンディな音楽辞典。西洋音楽を中心に、日本伝統音楽、民俗音楽、ポピュラー音楽の全分野にわたって、楽語、楽器、人名、曲名など約3,200項目を収録。各項目とも、肝要なことがらが簡潔、明解に記述されています。理論系の項目には譜例、楽器の項目には図版が入っています。その他、各種の音楽記号や略語をまとめた表、西洋・日本の音楽史年表、作曲家年表も掲載。
番外編
◎オンライン講座
「洗足オンラインスクール・オブ・ミュージック」
無料
洗足学園音楽大学が制作・運営し、無料で公開されている「洗足オンラインスクール・オブ・ミュージック」。誰でも受講でき、とくに「オンライン聴音810」は音大受験生の強い味方。導入から音大受験レベルまでに対応した多くの聴音問題が用意され、パソコンやスマホから流れる課題を書き取り、自分で「解答」を見て採点することができます。ほかに、「音楽理論・楽典」の解説や試験(自動採点)、ゲーム感覚で学べる「リズム練習」などがあります。
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