弾いても聴いても癒されるクラシックのピアノ名曲 初級編
ピアノを始めて間もない方やブランクのある方などに向けた初級編として、楽譜『ピアノの名曲150選』から癒される曲を5選。
簡単に弾けるのに癒される曲なので、中上級者の方が息抜きや気分転換に弾いてみるのもオススメです。もちろん、紹介している音源を聴いているだけでもリラックスできたり、優しい音色にほっとするでしょう。
練習に息詰まったとき、失恋したときなどのストレス解消にもどうぞ。
満員電車でストレスMax、なんだか気分が乗らない、落ち込んでいる、ストレスがたまっている、恋愛に疲れてしまった……そんな心のささくれには、音楽の癒し効果!
聴いても弾いても癒される、心に優しいピアノの名曲を編集部の独断と偏見によりセレクトしました。
中級編に続き、ここではバイエル~ブルクミュラー程度の初級編5曲をお届けします。ピアノを始めたばかりの方でも挑戦でき、数年ぶりにピアノを弾いてみようと思ったときにもオススメの難易度でありながら、聴いているだけでも癒される、すてきな曲たちです。
もしかすると、ストレス解消や安眠効果も期待できるかもしれません。
初心者でも弾けるような比較的簡単な作品ですが、クラシックのピアノ音楽として奥が深く、聴きごたえがあるので、大人でも長く楽しむことができるでしょう。
ピアノを弾いて気分転換したいけれど、どんな曲があるのかわからない、ピアノの名曲を弾きたいけ楽譜を持っていない、そんなときも、ぜひ参考にしてみてください。
初心者でも弾けるような比較的簡単な作品ですが、クラシックのピアノ音楽として奥が深く、聴きごたえがあるので、大人でも長く楽しむことができるでしょう。
ピアノを弾いて気分転換したいけれど、どんな曲があるのかわからない、ピアノの名曲を弾きたいけ楽譜を持っていない、そんなときも、ぜひ参考にしてみてください。
ペルシア王セルセが美しい木陰で歌う愛
オンブラ・マイフ/ゲオルク・フリードリヒ・ヘンデル(1685-1750)
ヘンデルは数々のオラトリオの傑作を残しましたが、若いときにイタリアでオペラを学び、歌劇も数多く作曲しています。この〈オンブラ・マイ・フ〉は、1738年に発表した歌劇《セルセ》のなかの曲で、「ヘンデルのラルゴ」としても知られています。紀元前5世紀のペルシアを舞台に、弟の恋人に横恋慕するペルシア王セルセが、恋人達に計略を打ち砕かれるというお話で、その第1幕冒頭で王が離宮の庭園にプラタナスの樹の木陰で歌うアリアがこの曲です。
編集部の独断と偏見による癒しポイント 左手でずっと刻まれるほどよいテンポの4分音符、聴いていると心が落ち着いてきます。情感豊かなメロディはもちろん、クライマックスのフォルテッシモは弾いてもスッキリしそうです。
ゆったりと北欧の美しい自然に癒されよう
アリエッタ/エドヴァルド・グリーグ(1843-1907)
ノルウェーの作曲家グリーグは、北欧の自然や神話、舞曲などを題材にしたピア小品を、生涯にわたって日記のように書き続けました。彼が残した全10集66曲からなる《抒情小曲集》は、グリーグの人生と詩情、北欧の大自然がおさめられた美しいアルバムです。その第1集op. 12は、小さなアリアという意味のこの〈アリエッタ〉でささやかに始まります。そしてグリーグは最後の第10集を完成させるとき、再びこの旋律をリズムを変えて終曲に用い、作品を閉じたのでした。
編集部の独断と偏見による癒しポイント とても優しい雰囲気で、心がじんわり温まります。短めの曲なので、気軽にトライできるのも良いところ。初心者や時間の限られた方も短時間で癒されるかも。
かわいい野ばらを思い浮かべて、前向きな気持ちに
野ばらに寄せて/エドワード・マクダウェル(1860-1908)
ニューヨーク出身の作曲家でピアニストのマクダウェルの作品です。パリ音楽院に学び、帰国後コロムビア大学音楽学部の初代学部長となったマクダウェルは、ドイツ・ロマン派の影響を受けながら、アメリカの風物を題材にした詩的な作品を数多く残し、アメリカ近代音楽の発展に大きく貢献しました。表題をもつ抒情的な作風は、ノルウェーのグリーグとよく比較されます。1896年に作曲された《森のスケッチ》op. 51は彼の代表作で、アメリカ東部のニューイングランドの豊かな森から霊感を得て作られました。愛らしい小品が10曲連ねられ、〈野ばらに寄せて〉はその第1曲です。
編集部の独断と偏見による癒しポイント 出だしからかわいらしくて既に癒されますが、なんといっても0:40から盛り上がっていったあと、0:50から0:57にかけてディミニエンドしてリタルダンドするところは、はかなくてかわいい!
CMでもおなじみ、サティの代表曲は癒しの定番
ジムノペディ第1番/エリック・サティ(1866-1925)
自分のことを「音響計測人」と呼んでみたり、バックグラウンド音楽として「家具の音楽」を提案したり、サティは音楽の聴き方そのものを変えるようなユニークな音楽家でした。彼の人気曲《ジムノペディ》は、最初期の1888年の作。タイトルは、古代ギリシアにおけるスパルタの祭典で行なわれた勇士を悼む「裸の踊り(ジムノペディア)」に由来していると言われます。
編集部の独断と偏見による癒しポイント この曲で一番短い音符は四分音符。細かい音が出てこない安心感で、譜面を見ていても癒されますね。douloureux(痛ましく)と指示があるように、ゆったりとした曲調の中にたまに現れる切ない響きが、心の痛みにそっと寄り添ってくれます。
森の木々と心地良いそよ風を思い浮かべて、心身ともに癒される
森のざわめき/ウィリアム・ギロック(1917-93)
ギロックのピアノ曲が多くの先生や生徒たちをひきつけるのは、高い技術がなくてもピアノの多彩な魅力に触れられる点ではないでしょうか。ニューオリンズで長年ピアノ教師をしていたギロックは、常に「学ぶ人のために」ということを心がけて作曲を続け、技術的な課題が、楽しく美しい音楽で身に付けられるように工夫をしました。〈森のざわめき〉はギロックのお気に入りの作品のひとつ《抒情小曲集》の第1曲です。この曲集は「24の調性で書かれたロマン派のスタイルによる」という副題が付き、練習や演奏をとおして調性感が養えるよう配慮がなされています。
編集部の独断と偏見による癒しポイント 森のざわめきを表すと思われる16分音符が、心のざわめきを落ち着けてくれそう。難しそうに見えても意外に弾きやすい音型なので、もちろん弾いてもスッキリ。開始10秒から胸を締め付けられるような心憂い響きになり、そこからのソのフェルマータと下降音型、やはり癒されます。
曲目解説は、『ピアノ名曲150選』『ピアノ名曲120選』(音楽之友社)巻末より。
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