マンガでたどるラフマニノフの生涯#1 ラフマニノフ一家、破産する
ラフマニノフの生誕150周年にちなみ、その生涯を12ヶ月、全12回でたどるマンガ連載がスタート! 作曲家の創作マンガを数多く手がけてきた創作マンガユニット・留守keyが、ラフマニノフの音楽について綴るコラムとともに、その劇的な人生をお届けします。
http://rusukey.blog.jp主な作品:『B(ベー)〜ブラームス二十歳の旅路』コミックス全3巻(DeNA/小学館クリエイティブ)、学研マンガジュニア名作...
少年ラフマニノフの原体験をまとめる3つのキーワード
1873年4月1日(ユリウス暦3月20日)にラフマニノフは生まれた。
ラフマニノフが生まれた家庭はもともと貴族の流れを持つ家系で、裕福な生活環境だったという。
育ったオネグではノヴゴロド州の田舎村とはいえ何不自由ない生活を送り、またなによりも田舎だったからこそ豊かな自然環境が良い影響を与えただろう。ラフマニノフの音楽には常にロシアの自然と豊かな大地の実りが感じられる。
そして音楽の素養と理解がある両親とその兄弟の仲も良かったという。
「美しい大自然と暖かな家庭で豊かに育った」ということがラフマニノフの出発点であったと覚えておこう。ラフマニノフ特有の優しい旋律や豊かな響きは、幼き頃の幸せな生活にあったと考えてみると合点がいく。
しかし……。
まさかの破産と一家離散で急転直下、ラフマニノフの生活環境はいっぺんに変わる。9歳の少年にはいささか厳しい体験だったはず。
ラフマニノフの音楽がどこかほろ苦く、不吉な影を帯びている原点はこのときの体験が大きかったのではないか?
「豊かな自然」、「幸せな家族」、「予期できない不幸の到来」
少年ラフマニノフの原体験をまとめる3つのキーワードは、そのまま生涯にわたるラフマニノフの音楽の特色でもあるように思える。
※連載の次回(2月)、ラフマニノフはモスクワでピアノを学び始める。
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