ボンクリ・フェス2022 赤ちゃんからシニアまであらゆる人が「新しい音」を楽しめるお祭り
“Born Creative”Festival(略称:ボンクリ・フェス)は、「世界中の『新しい音』が聴けるフェス」をテーマに、作曲家 藤倉大がアーティスティック・ディレクターを務めるフェスティバル。東京芸術劇場を舞台に、ミニ演奏会やワークショップ、出演者が勢揃いするスペシャル・コンサートなどが展開され、赤ちゃんからシニアまであらゆる世代が楽しめる。7月に開催されるフェスティバルの、主な出演者や聴きどころをご紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
“人は生まれながらにして、創造的”~音楽をもっと自由に楽しもう
Born Creative=ボーン・クリエイティブ(“人は生まれながらにして、創造的”の意味)をコンセプトとするボンクリ・フェスは、作曲家 藤倉大をアーティスティック・ディレクターとし、今生まれでる同時代の音楽を子どもからシニアまで誰もが楽しめるお祭り。
2017年5月に産声を上げ、今年で6回目を迎える。「世界中の『新しい音』が聴けるフェス」をテーマに、ジャンルを超えた実験的な作品ばかりが上演される。
聴き手によっては、「これって音楽?!」と驚かれる方もいるだろう。ボンクリのテーマに共感し、集まったアーティストたちの発想は、「ビー玉をピアノの中に投げ入れる作品を演りたい」「ロンドンと日本で同時中継合奏しよう」など、好奇心と自由に満ちている。
また、ボンクリの音楽は民族音楽やジャズ、クラシック音楽など、あらゆるジャンルの音楽がつながり生まれたオリジナリティ溢れるものだ。
今年はアンサンブル・ノマドなどレギュラー出演しているアーティストに加え、コロナ禍で来日することが叶わなかった、外国在住のアーティストが満を持してやってくる。
実力と革新性を兼ね備えた世界的アーティストが出演
作曲家・ヴィオリストのアン・レイレフア・ランツィロッティは、今年のピューリッツァー賞 音楽部門でファイナリストにもなったアーティスト。
ニューヨーク・タイムズ紙より“優れた作曲家-演奏家”と評され、イサム・ノグチ美術館からの委嘱作品の作曲やEMPAC(Experimental Media and Performing Arts Center)のキュレーターを歴任するなど、多彩なアート活動が注目を集めている。
また、ヤン・バングは現代ノルウェーで最も重要な音楽家のひとり。デヴィット・トゥープやデヴィット・シルヴィアンなどの音楽家と共演を重ねるだけでなく、2005年から「Live Remix(ライブ・リミックス)」をコンセプトとした音楽祭「Punkt(プンクト)」を立ち上げるなど、まさに革新的なアーティスト。
トランペット、トロンボーン、ギターという特異な編成のユニット「アンサンブル・スリー」も、メンバー全員がメルボルン音楽院で教鞭を執るだけに、実力の高さはもちろんのこと、そのユニークな編成で拓く新しい音楽は、オーストラリアだけでなく世界中で評価されている。
藤倉大の新作初演や出演者同士の科学反応に期待大!
出演者が勢揃いするスペシャル・コンサートでは、アン・レイレフア・ランツィロッティが、藤倉大のヴィオラ協奏曲《ウェイファインダー》をアンサンブル・ノマドと世界初演する。この作品は彼女のルーツでもあるポリネシアに伝わる航海術「ウェイファインディング」 のアイデアに触発され、藤倉がランツィロッティのために作曲した作品。
また、アンサンブル・スリーが藤倉大《THREE》を日本初演、ヤン・バングをはじめとするノルウェーの即興音楽家たちが、イサム・ノグチを題材に作曲したランツィロッティの作品をLive Remix。
そのほか、久石譲のギター二重奏作品、コロナ禍で藤倉大と八木美知依が共同創作した新作、毎年驚きの発想で楽しませてくれる大友良英の新作など、盛りだくさんなプログラムを届ける。新しい音楽との出会いに期待がふくらむ。
そのほか、今秋にヤン・バングと藤倉大とのアルバム『The Bow Maker』がリリースされるのを記念して、スペシャル・ステージ「藤倉大&ヤン・バング-The Bow Maker」を特別開催! 三味線奏者 本條秀慈郎とハイパー箏奏者 八木美知依も加わり、ここでしか聴けない一期一会の即興セッションに期待が高まる。
毎年人気の「箏の部屋」では、八木美知依が画家 中山晃子と共演し、音楽と視覚芸術のコラボに臨む。中山の生きているように変化していくヴィジュアル(Alive Painting)と、抒情的かつ繊細な箏アンサンブルの化学反応は必見。
そのほか、子どもから楽しめるワークショップ「トーンマイスター石丸の部屋」「子どもボンクリ」、世界的ヴァイオリニスト・作曲家の木村まりによる「ヴァイオリンとモーション・センサーの部屋」、極上の音空間“コンサートホール”で電子音楽を楽しめる「大人ボンクリ」、無料で1日中電子音楽のシャワーを浴びることができる「電子音楽の部屋」などなど、多彩なプログラムが待っている。
今夏は新しい音で溢れる東京芸術劇場へ、あなたの創造性を呼び覚ましに足を運んでみませんか?
日時:2022年7月15日(金)・16日(土)
会場:東京芸術劇場
スペシャル・コンサート
日程:2022年7月16日(土)14:00開演
会場:コンサートホール
料金(税込):一般3,000円 U30(30歳以下)1,000円
大人ボンクリ
日程:2022年7月16日(土)20:00開演
会場:コンサートホール
入場方法:「スペシャル・コンサート」または「ワークショップ・コンサート」のチケットをお持ちのお客様は無料でご参加いただけます。
ワークショップ・コンサート
7月15日(金)
ヴィオラで描く星と航海の部屋/藤倉大&ヤン・バング
7月16日(土)
アンサンブル・ノマドの部屋/箏の部屋/ヴァイオリンとモーション・センサーの部屋/トーンマイスター石丸の部屋/プンクトの部屋/アンサンブル・スリーの部屋
料金(税込):各1,000円
チケット購入:東京芸術劇場ボックスオフィス
TEL:0570-010-296(休館日を除く10:00~19:00)
窓口:営業時間:休館日を除く10:00~19:00
WEB:https://www.geigeki.jp/t/
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