元バスケ部で古着好きヴァイオリニスト滝千春さん、ベートーヴェンのソナタ全曲を配信
大学院でインドのスラムの自立支援プロジェクトを研究。その後、2005年からピアノ専門誌の編集者として国内外でピアニストの取材を行なう。2011年よりフリーランスで活動...
演奏家にも、ファッションにこだわりがある人とそうでない人がいるものです。女性の場合特に、ステージ衣装からもどんなファッションセンスの持ち主なのかがわかりますね。
それで、ヴァイオリニストの滝千春さんですよ。
素敵。
聞くところによると、滝さんは古着が好きで、私服はもちろん、ステージでもヴィンテージのドレスを着ることが多いのだとか。
滝さんといえば、以前インタビューをしたとき、「中学生のときバスケ部だった」という事実を知って、元バスケ部である身として、勝手に親近感を覚えたものです。バスケとバレー、突き指しがちな種目ツートップですから、器楽奏者にはやっぱり経験者が少ないんですよ。
滝さんは子ども時代について、小さい頃は楽しく弾いていたヴァイオリンも、小学校高学年になるとだんだん、「習っていることを友だちに知られたくない」と思うようになった、といいます。よくある“ヴァイオリンをやっているのはお嬢様”的なイメージの扱いを受けるのがイヤで、「友だちが家に来るときはヴァイオリンを隠していた」というから、すごい。
中学でバスケ部に入ったのも、「ヴァイオリン以外の何かがしたかった。ヴァイオリンしか知らないのに将来なんて決められないと思った」ためだといいます。しかし、バスケを続けたいならヴァイオリンを練習しなさいと言われ、突き指しても、部活で遅くなっても、朝晩ヴァイオリンをさらっていたそう。
そんななか、国際コンクールのジュニア部門優勝をきっかけに、音楽の道も悪くないと思うようになり、今や、実力派ヴァイオリニストとして活躍するようになったわけです。
「やめたいと言いながら、やめられなかったことが答えだと思います。表現する喜びが、自分の一番の生きがいなんでしょう」と、滝さんは話していました。
客観的で視野の広いところは、彼女の包容力を感じる音楽性にも現れているのかも……と思いました。
*
そんな滝さん!
ベートーヴェン生誕250周年の今年、誕生日といわれる12月16日をはさむ5日間(12月14~18日)を「ベートーヴェンウィーク」として、ピアニストの斎藤龍さんと、ヴァイオリン・ソナタの全曲配信を行なうそうです。2人は全曲演奏を目指し、数年かけて準備を進めてきたのだそう。気合いも想いも十分の企画です。
記念年だというのに、多くの公演が中止となった今年、ベートーヴェンにどっぷり浸かるラストスパートを、滝&斎藤デュオとともに爆走しましょう。
(配信は、どんな衣装なのでしょうね……)
日時: 12月14日(月)~18日(金)毎回20:00開演
曲目:
- 12月14日(月) ヴァイオリン・ソナタ 第1番、第2番、第3番 Op.12
- 12月15日(火) ヴァイオリン・ソナタ 第4番 Op.23 、第5番 Op.24
- 12月16日(水) ヴァイオリン・ソナタ 第6番、第7番、第8番 Op.30
- 12月17日(木) ヴァイオリン・ソナタ 第9番 Op.47
- 12月18日(金) ヴァイオリン・ソナタ 第10番 Op.96、モーツァルト「フィガロの結婚」の「もし伯爵様が踊るなら」による12の変奏曲 WoO.40
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