ミンコフスキ×オーケストラ・アンサンブル金沢がベートーヴェン交響曲を全曲演奏
石川県金沢市に本拠地を置くオーケストラ・アンサンブル金沢が、芸術監督であるフランス人指揮者マルク・ミンコフスキとベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行なう。
ミンコフスキがベートーヴェンの交響曲全曲演奏を行なうのは、今回が初めて。21ヶ月ぶりとなるOEKとの共演は、満を持してのプログラムとなった。
会場は石川県立音楽堂コンサートホールで、7月10日(土)の第443回定期公演として第1番、第3番。特別公演と銘打った7月13日(火)は第2番、第8番。そして、7月15日(木)に第5番、第6番が演奏される。
マルク・ミンコフスキは、パリ出身のロシア系フランス人。元々はパリ音楽院で学んだバロック・ファゴット奏者で、1982年に古楽器の演奏団体レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル(ルーヴル宮音楽隊)を設立。指揮者としてリュリ、ラモーなどフランスのバロック音楽を中心に演奏していたが、1996年に本拠地をグルノーブルに移し、レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル=グルノーブルと改名以降は、モーツァルトやベルリオーズ、ビゼーなどさまざまな時代の音楽を手がけている。
喝采を得た一連のオッフェンバックのオペレッタ上演は、フランスにおける「オッフェンバック・ルネサンス」の引き金になった。
ミンコフスキは世界中のオーケストラとの共演の中で、2012年に岩城宏之氏が創設した、日本が誇る室内オーケストラであるオーケストラ・アンサンブル金沢(OEK)と初共演。その後、2015年にOEK首席客演指揮者就任、2018年9月からはOEK芸術監督を務めている。
ミンコフスキが今回の曲目・共演について語るメッセージ動画が公開されている。
「(交響曲第1番について)ハイドン、シュターミッツ、それともフンメル?? いいえ、ベートーヴェン。既に1曲目からクレイジーなアイディアやビジョンに溢れています」「(第8番)熱狂的な最終楽章。オリンピックなど比べ物になりません」「(第5番)最終楽章から想起されるのは善と悪の戦い、勢力の転換、グッド・フォースです。ダーク・フォースではありません。そして冒険です」
ほかにも、ミンコフスキ節が満載のインタビュー。
「私たちは強く、忍耐強くこれらのもの(コロナ禍のさまざまな制約)と共存してゆかなければならないのです。そうでなければ文化や音楽、芝居など人間が人間であるための術がなくなってしまいます。ですから未来のためにただ行動するのみです」
と語る彼は、OEKとともにどんなベートーヴェンを聴かせるのか? そして、今回プログラムされていない第4番、第7番と第9番《合唱付き》の演奏の発表も楽しみに待ちたい。
日時: 2021年7月10日(土)14:00開演
会場: 石川県立音楽堂コンサートホール
指揮: マルク・ミンコフスキ
ベートーヴェン: 交響曲 第1番 ハ長調 作品21
ベートーヴェン: 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」
チケット情報、公演詳細はこちら
日時: 2021年7月13日(火)18:30開演
会場: 石川県立音楽堂コンサートホール
指揮: マルク・ミンコフスキ
ベートーヴェン: 交響曲 第2番 ニ長調 作品36
ベートーヴェン: 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93
チケット情報、公演詳細はこちら
日時: 2021年7月15日(木)18:30開演
会場: 石川県立音楽堂コンサートホール
指揮: マルク・ミンコフスキ
ベートーヴェン: 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」
ベートーヴェン: 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」
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