パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌2022 3年ぶりにPMFオーケストラを結成!
パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)は、1990年にレナード・バーンスタインが札幌で創設した国際教育音楽祭。コロナ禍を経て、2022年は再び世界中から音楽家たちが札幌に集結し、3年ぶりに本来の姿で開催されます。7月16日から18日間にわたって繰り広げられる多彩なプログラムの、主な出演者や聴きどころをご紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
『ウエスト・サイド・ストーリー』の作曲者バーンスタインが創設した国際教育音楽祭
パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌(PMF)は、1990年、『ウエスト・サイド・ストーリー』の作曲者として知られる世界的指揮者・作曲家レナード・バーンスタインが、ロンドン交響楽団とともに札幌で創設した国際教育音楽祭。
これまで世界 77カ国・地域に、のべ3600人以上の優秀な音楽家を輩出し、未来のクラシック音楽シーンを担う人材の育成に貢献してきた。
厳しいオーディションで選抜された若手音楽家たちがアカデミー生となり、約1カ月間、教育プログラム「PMFアカデミー」を行なう。
彼らを指導する教授陣は、ウィーン・フィル、ベルリン・フィル、北米メジャー・オーケストラで活躍するコンサートマスターや首席奏者たちが務める。
アカデミー生によるPMFオーケストラ公演が3年ぶりに開催
アカデミー生により編成される「PMFオーケストラ」は、世界トップレベル・アジア随一のユースオーケストラと評され、札幌コンサートホールKitaraや札幌芸術の森・野外ステージなど、札幌を中心とした道内のさまざまな会場で公演を行い、多くの人々に感動を与えている。
2020年はコロナの影響で初めての中止を余儀なくされ、2021年はオンラインでの教育実施と、国内在住者によるオーケストラ編成で開催(会期途中で開催中止)となった。
2022年は再び世界中から音楽家たちが札幌に集結し、3年ぶりに本来の姿で開催。2022年7月16日(土)から8月2日(火)までの18日間にわたり、さまざまなプログラムが繰り広げられる。
首席指揮者としてイスラエル・フィル音楽監督のラハフ・シャニが登場
ラハフ・シャニは、巨匠ズービン・メータが42年間務めたイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団音楽監督の任を引き継いだ、新進気鋭の指揮者。
今回、首席指揮者として、PMFに初登場。プログラムB(7/30 ピクニックコンサート、7/31 PMF GALAコンサート、8/2 東京公演)で、世界中から集まったオーディション合格者52名のアカデミーと教授陣らにより編成される「PMFオーケストラ」を指揮する。世界のクラシック音楽シーンが注目する期待の指揮者が、PMF2022を沸かせる!
また、プログラムBでは、ジャズ界はもとより、クラシックでも活躍する日本を代表するトップピアニスト小曽根真を(オーケストラ)ソリストとして迎える。PMFには2008年以来、2回目の登場になる。ラハフ・シャニ、PMFオーケストラとの共演による、プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」の演奏に期待が高まる。
爽やかな札幌の夏空のもと、自然の中でのんびりと食べたり飲んだりしながら音楽を楽しめるPMFの定番演奏会7/30 ピクニックコンサートでは、ジャズとクラシックが融合したステージも企画中。
オープニングを飾るのは客演指揮者ケン=デイヴィッド・マズア
会期前半のプログラムA(7/16 オープニング・コンサート)では、客演指揮者として、偉大な指揮者クルト・マズアの息子であり、タングルウッド音楽祭でも教育に携わり、その才能を期待されているケン=デイヴィッド・マズアを迎える。PMFには初参加。メンデルスゾーンの「交響曲第5番《宗教改革》」を披露する。
そして、才能あふれる若手日本人ソリスト3名も登場! 2019年チャイコフスキー国際コンクール第4位、2018年ロン=ティボー国際音楽コンクール第2位入賞および最優秀協奏曲賞を受賞し、一躍注目を集める金川真弓(ヴァイオリン)、2021年、ジュネーヴ国際音楽コンクールのチェロ部門で、日本人として初優勝した上野通明(チェロ)、2005年、第3回東京音楽コンクールにおいて第1位(2位なし)ならびに審査員大賞(全部門共通)受賞、以来日本国内、ドイツをはじめとするヨーロッパ各地で、演奏活動を行う北村朋幹(ピアノ)。
PMFに初めて参加する3名がベートーヴェンの「ヴァイオリン、チェロとピアノのための三重協奏曲」を披露する。
翌日には同一のプログラムで苫小牧でも公演が行なわれる。
「PMFでしか聴けない札幌交響楽団」を堪能
北海道唯一のプロ・オーケストラ、札幌交響楽団による7/22 PMFホストシティ・オーケストラ演奏会は、マズア指揮のもと、元ウィーン・フィルのコンサートマスターであるライナー・キュッヒルがゲストコンサートマスターとして出演。
ソリストにはPMF修了生であり、PMF教授陣にも名を連ねるダニエル・マツカワ(フィラデルフィア管弦楽団 首席ファゴット奏者)を迎える。PMFならではの貴重な共演とサウンドを楽しみたい。
多彩なアンサンブル公演を開催
オーケストラ公演以外にも、アカデミーが室内楽練習の成果を披露する公演や、PMFウィーン、ベルリン、アメリカの各教授陣の演奏会など、多彩なアンサンブル公演が人気。札幌会場の他にも、江別、函館、奈井江での開催を予定している。
7/19 PMFアンサンブル・セレクションでは、会期前半出演アーティストたちによる厳選の名曲を演奏する。
Aプログラムの日本人若手ソリスト[金川真弓(ヴァイオリン)、上野通明(チェロ)、北村朋幹(ピアノ)]がPMFのためにトリオを結成し、ブラームスの「ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 作品8(1889年版)」を披露。また、カプースチンが曲を献呈した、世界で唯一のピアノデュオpiaNA(西本夏生、佐久間あすか)が、7/18に開催される音楽講座「PMFクラシック♪LABO 」に続き登場。鮮やかに奏でる。
そのほかにも、ライナー・キュッヒル(ヴァイオリン)によるサン=サーンスの《ハバネラ 作品83》と、夏夜に充実のアンサンブル・プログラムが届けられる。
7/31 PMF GALAコンサートには昨年、音楽祭の中止によりPMF出演がかなわなかった三浦文彰(ヴァイオリン)と髙木竜馬(ピアノ)の出演が決まった。GALAコンサートだけの特別出演は聴き逃せない。
ピクニック気分で楽しめる曲目から本格的なクラシック音楽までが揃う、パシフィック・ミュージック・フェスティバル札幌2022。この機会にぜひ、札幌を訪れたい。
札幌へ行くのが難しい方には東京公演がおすすめ
ちょっと札幌へ行くのは難しい……という方には、PMF2022のラストコンサート8/2東京公演をおすすめしたい。
3年ぶり、待望の東京公演は、ひと夏限りのオーケストラにとって集大成となるコンサート。出身も文化も異なる”若き音楽家”たちは、音楽という共通言語を通じて互いに切磋琢磨し、国際交流を深め、かけがえのない経験を胸に旅立つ。
その最後となる演奏は、聴き手にとってもかけがえのないコンサート体験となることは間違いない。
会期:2022年7月16日(土)~8月2日(火) 18日間
会場:札幌コンサートホールKitara、札幌芸術の森、苫小牧、江別、函館、奈井江、東京 ほか
指揮者:首席指揮者 ラハフ・シャニ(ブラームス「交響曲第2番」ほか)/客演指揮者 ケン=デイヴィッド。マズア(メンデルスゾーン「交響曲第5番《宗教改革》ほか)
問合せ:パシフィック・ミュージック・フェスティバル組織委員会
TEL:011-242-2211(営業時間 10:00-17:00)
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