インタビュー
2024.04.16
【Band Journal×WebマガジンONTOMO連携企画】トロンボーン 愛器を語る!

ゲッツェンのトロンボーンを株式会社プリマ楽器の担当者が語る!

ロータリーに代わるセイヤー(現アキシャルフロー)バルブの登場は衝撃的であった。そしてそれは、アメリカ生産にこだわり、高いクオリティの楽器を作り続けるゲッツェンに対する認知度を、圧倒的に高めたのだった。
株式会社プリマ楽器企画編集室の山瀬剛志さんに教えていただいた。
●本記事は『Band Journal』2024年3月号に掲載されたものです。

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1959年創刊の吹奏楽専門誌。毎月10日発売。吹奏楽の今を追い続けて60年超、学校の吹奏楽部の現場への取材やプロ奏者へのインタビューをはじめ、指導のノウハウ、楽器上達...

文=今泉晃一

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セイヤーバルブ初採用で幅広く知られるように

「ゲッツェン」はアメリカ北西部の楽器の町、エルクホーンで1939年に設立されました。それ以来「金管楽器ならゲッツェン」というスローガンを掲げています。最大の特長はすべてがアメリカ製ということ。パーツ一つひとつから全部アメリカにある工場で作っています。もともとクオリティの高い楽器ですが、さらに日本に輸入したあとに高いスキルを持つ技術者手で改めて分解・調整を行なっているところも日本で安心して使っていただけるポイントです。日本を含め世界中のプロ奏者に使われている楽器なので、彼らに対する憧れも、ゲッツェンを選ぶ理由のひとつかなと思っております。

特にセイヤー・バルブ(現在のアキシャルフロー・バルブ)はゲッツェンが最初に使い始めたもので、バルブによる空気の流れが従来のロータリーに比べて飛躍的にスムーズになり、抵抵感が格段に減少しました。この革新的なバルブの採用によりゲッツェンの認知度は一気に上りましたね。現在は特許が切れたため他のメーカーさんにも採用されています。

なお、同じ工場で作られている別ラインアップとして「エドワーズ」があります。スライからベル、チューニング管などあらゆるパーツを組み合わせて、プレイヤーごとにぴったりの楽器を作り上げるというコンセプトですが、組み合わせは膨大な数になるので、かなりの上級者でないと狙いどおりの楽器にするのが難しいのが実情。対してゲッツェンは、メーカー側で推奨の組み合わせをラインアップしています。

楽器にこだわりを持ち、自分の音を突き詰めたい人に

今回はラインアップのなかから3047AFと4147Bをご紹介したいと思います。3047AFはアキシャルフロー・バルブを採用したテナーバスで、アマチュアからプロ奏者まで広く使用されているモデルです。ゲッツェンの特長として、現在生産されているもののほとんどはベル先端のリムにハンダが入っていないことが挙げられます。作るには高い技術が必要ですが、ハンダの重量がないぶん、より響き、あたたかい音になります。F管のレイアウトなども、バルブ使用時でも未使用時でも同じ吹奏感を実現できるように入念に設計されています。また、マウスパイプが3種類付属しており、材質や長さは同じなのですが内部のテーパーが違っていて、それぞれ異なる吹奏感を得ることができます。

4147IBはロンドン交響楽団やウィーン・フィルの首席も務めたイアン・バウスフィールドさんのシグネチャーモデルです。バルブは通常のロータリーで、近代の楽器では少数派のナロースライドを採用。音の核がより明確で、反応のよさとふくよかな音色が特徴の、ソロからオーケストラまでオールラウンドに活躍できる吹きやすい楽器です。「ピラー」と呼ばれるパーツの取り付け方のアレンジにより、響きをさまざまに微調整することも。これはエドワーズが開発・最初に採用したシステムです。

マウスピースはグレイゴ製でそれぞれの楽器に合うものが付属しています。3047AFはCS5という標準的なマウスピースですが、4147Bには軽量化したOBC5が組み合わせられています。これはバウスフィールドさん自ら指定したものです。

今回ご紹介したモデルを含め、ゲッツェンのトロンボーンは楽器にこだわりを持ち、自分の音楽を突き詰めたいと思う人にぜひ使っていただきたいと思います。もちろん、初心者の方がプロの奏者に憧れて購入されても、吹きこなせないようなことはありません。むしろ、気に入った楽器を長く使えることで、上達も早いのではないでしょうか。

支柱の中央に装着されている円柱状のパーツが「ピラー」
マウスピースはどちらもGRIEGO(グレイゴ)が付属する。ゲッツェンで楽器開発をしていたクリスタン・グレイゴ氏によるマウスピースブランドで、3047AFにはCS5(右)、4147IBにはより軽量なIBC5が組み合わせられている
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1959年創刊の吹奏楽専門誌。毎月10日発売。吹奏楽の今を追い続けて60年超、学校の吹奏楽部の現場への取材やプロ奏者へのインタビューをはじめ、指導のノウハウ、楽器上達...

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