シャイアーズのトロンボーンを眞田貿易株式会社の担当者が語る！

S. E. シャイアーズ社は1995年にトロンボーンメーカーとして創業しました。創業当時の狙いは「よいバルブを搭載して超低音域まで均一な音程を実現すること」「どのメーカーよりも操作性に優れたスライドを用意すること」そして「多彩なサウンドを提供すること」であり、それは現在でも変わりません。サウンドはプレイヤーそれぞれにイメージがあり、さらにセクションと合い、指揮者の要求にも合致する必要がありますが、明確で遠達性のある均等なサウンド、そしてセンターのある、芯のあるサウンドが得られることがS. E. シャイアーズの特色です。

また、創業者スティーブ・シャイアーズが掲げてきた目標には「楽器を芸術作品として製作すること」という視点もありました。楽器のネジや支柱は機能性だけではなく、芸術性も感じられるように設計し、ベルには手の込んだ彫刻を施しています。

こうしてシャイアーズは数多くの欧米の名手たちに評価され、日本でも数多くのプロ奏者によって使われています。

現在は「カスタムシリーズ」と「Qシリーズ」の2シリーズがあり、それぞれにさまざまなモデルが用意されています。

「カスタムシリーズ」は世界を代表するようなプロ奏者から熱心なアマチュア奏者までを想定して開発されており、すべてをアメリカ・ボストンで製作しています。「Qシリーズ」は中・高生を含む若い学生の方はもちろんのこと、プロユースにも堪える作りであることから、指導者やプロ奏者まで幅広く使われています。

なかでも「Qシリーズ」はパーツを外注するのではなく、「自社で製作したパーツの組み立てをグループ会社に外注し、自社で最終調整をする」という着想によってコストダウンが図られています。コストを意識しつつも、カスタムシリーズと同様に芸術性を感じられるよう、ベルには手の込んだ彫刻が施されていることも特長です。人気の高い「カスタムシリーズ」のデザインをもとに開発されており、全音域において均一なレスポンスとサウンドを得ることができます。さらに「カスタムシリーズ」と互換性があり、「カスタムシリーズ」のベル、バルブ、チューニングスライド、スライド、リードパイプは「Qシリーズ」に装着することも可能です。

ここで紹介するQ30YR／GR、Q36YR／GRはいずれもロータリーバルブを採用しており、「Qシリーズ」を代表するモデルです。