インタビュー
2024.04.16
【Band Journal×WebマガジンONTOMO連携企画】トロンボーン 愛器を語る!

グリーンホーのトロンボーンを神田めぐみが語る!

高校を卒業後アメリカに渡って音楽を勉強し、現在は五大湖のほとりにあるウィスコンシン州、ミルウォーキー交響楽団の首席を務める神田めぐみさんに、オンラインのインタビューを行なった。
●本記事は『Band Journal』2024年3月号に掲載されたものです。

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1959年創刊の吹奏楽専門誌。毎月10日発売。吹奏楽の今を追い続けて60年超、学校の吹奏楽部の現場への取材やプロ奏者へのインタビューをはじめ、指導のノウハウ、楽器上達...

文=今泉晃一/写真=各務あゆみ

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神田めぐみ(かんだ・めぐみ)
10歳のとき小学校のブラスバンド部に入部。13歳よりトロンボーンを三輪純生に師事。桐朋女子高等学校音楽科を首席で卒業し、米国に留学。クリーブランド音楽院にてジェームス・デサーノに師事。アルバニー交響楽団、ロチェスター・フィルハーモニー管弦楽団を経て2002年、ミルウォーキー交響楽団首席奏者に就任。

10年くらい一緒に吹いていたグリーンホーさんが作った楽器

——桐朋女子高等学校音楽科を卒業してそのままアメリカに渡られたんですね。

神田 高校にはアメリカのカーティス音楽院やドイツのカラヤンアカデミーで学ぶ人々が来日し、演奏を聴かせてくれたので、それを見て「私もこういうところで勉強したい」と思ったのです。当時クリーブランド管弦楽団の首席だったジェームス・デサーノ先生が来日されたときに呼ばれて何曲か吹くことになったのですが、どうやらそれが試験だったみたいで、クリーブランド音楽院の入学が決まっていました(笑)。

——卒業後はアメリカのいくつかのオーケストラを経て、2002年から現在のミルウォーキー交響楽団で首席奏者を務めていますが、神田さんの目から見てどんなオーケストラですか。

神田 私好みのオーケストラです(笑)。危ういくらいのピアニッシモとか、まったく色の違うフォルテなど、カラフルでテイストフル。ときには野獣のようにもなれます。

——神田さんがお使いのグリーンホーという楽器ですが……。

神田 長年、ミルウォーキー交響楽団で2 番を吹いていたグリーンホーさんが作った楽器です。今は引退してしまいましたが、10年くらい一緒に吹いていました。私がミルウォーキーのオーケストラに入ったときにはすでに楽器作りを始めていて、「グリーンホーバルブ」というすごく抜けのよいロータリーバルブを開発し、その後ベルも作るようになって、すばらしい楽器が完成しました。私はGC4-1Rを始めて吹いたときに「もう離さない!」と言って、以来ずっと使い続けていますよ(笑)。グリーンホーのベルは指で弾くとカーンと鳴るくらい薄くてよく響くので、それも、オープンでフリーに吹ける印象につながっていると思います。

自分の求める極限の表現をしようとしたときに、ついてきてくれる楽器と、楽器の側でリミットがかかってしまうようなものがありません。グリーンホーは極限までついてきてくれる楽器です。聴いたことがないくらいソフトな音も出せるし、自分がちょっと色を変えたいと思ったときには、そのまま鏡のように映し出してくれます。倍音がたくさん聴こえるカラフルなfが出せるのも、薄いベルのおかげだと思います。

入ったものを正直に出す楽器で、感覚としてはそこに楽器がないような感じ。私は楽器にじゃまされたくないから、グリーンホーの楽器が大好きなんです。

——読者にひとことお願いします。

神田 正確に吹くことも大事ですが、一番大切なのは音楽を通して自分のメッセージをきちんと伝えることだと思います。今年の9月には広島、名古屋、東京とソロでの日本ツアーを行ないますので、ぜひ聴きに来てください。

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