インタビュー
2025.06.23
オーケストラの舞台裏 vol.5

新日本フィルハーモニー交響楽団トランペット奏者・山川永太郎さん「トランペットは“空気を変える”楽器」

華やかな響きでオーケストラに輝きを添えるトランペット。その音色を舞台後方から届けるのが、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席トランペット奏者・山川永太郎さんです。金管楽器ならではの緊張感、日々の演奏で感じる手応え、そして地元・青森への思いまで、たっぷりと語っていただきました。

「オーケストラの舞台裏」は、オーケストラで活躍する演奏家たちに、楽器の魅力や演奏への想いを聞く連載です。普段なかなか知ることのできない舞台裏を通じて、演奏家たちのリアルな日常をお届けします。

取材・編集
寺田 愛
取材・編集
寺田 愛

編集者、ライター。女性誌編集、ECサイト編集・ディレクター、WEBメディア編集長、書籍編集長などを経て現在。はじめてクラシック音楽を生で聞いたのは生後半年の頃。それ以...

撮影:齋藤大輔

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トランペットの始まりは“吹けてしまった”から

——まず、トランペットを始めたきっかけを教えてください。

山川永太郎さん(以下、山川): きっかけは、姉が小学校の吹奏楽部でテューバをやっていたことです。もともと僕はスポーツが大好きで、本当はスポーツの道に進みたいと思っていたのですが、ケガをしたら続けられないという現実も知っていて。吹奏楽部の定期演奏会を見に行くと、サックスでかっこいいソロを吹いている先輩がいたんです。「おお、サックスって絶対モテるじゃん」と思ったのが音楽に惹かれるきっかけになりました(笑)。

——サックスをやりたかったのに、なぜトランペットを選ぶことになったのですか。

山川: 姉が練習しているのを見ていたので、金管楽器の仕組みにはなんとなくなじみがありました。それもあって、体験入部のときに、トランペットでパラパラっとドレミファソラシドが吹けてしまったんです。「次、サックス行こう」と思っていたら、トランペットを吹いていたのを顧問の先生に見られていて。「君はトランペットをやったらうまくなるよ」と言われて、そのままトランペットを始めることになりました。

——トランペットはいきなり吹けてしまうものなんですか。

山川: 僕の知る限り、プロのトランペット奏者は、最初から吹けたという人が多いと思います。才能というより、金管楽器の仕組みを理解していれば、音は出るものなんですよ。

山川永太郎(やまかわ・えいたろう)
青森県青森市出身。9歳よりトランペットを始める。
青森商業高等学校、尚美学園大学音楽表現学科卒業。桐朋オーケストラ・アカデミー研修課程修了。
第38回青森県新人演奏会、第34回ヤマハ管楽器新人演奏会金管部門に出演。
「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクトXⅥ」、「セイジ・オザワ松本フェスティバル:子供のための音楽会」、PMF 2021に参加。
第24回コンセール・マロニエ21金管部門第3位。
ソリストとして、仙台フィル・新日本フィルと共演。
トランペットを内藤知裕、長谷川潤、ヒロ・ノグチ、亀島克敏の各氏に、室内楽を後藤文夫氏に師事。アニメやドラマ等の劇伴収録も多数参加。
東宝ミュージカル「王様と私」にオーケストラメンバーとして参加。
現在、新日本フィルハーモニー交響楽団首席トランペット奏者。劇団四季「アナと雪の女王」オーケストラメンバー。 『AOMORI TRUMPET FIVE』主宰。ドルチェ東京・ミュージック・アカデミー講師。

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