インタビュー
2020.06.11
アーティストの頭の中♡第3回

バリトン歌手、大西宇宙さん——おすすめの本や座右の銘、なにフェチかなどにご回答!

気になるアーティストさんの素顔をのぞき見しちゃう、一問一答メールインタビュー連載。
第3回は、バリトン歌手の大西宇宙さん。ニューヨークを拠点に世界で活躍する大西さんに、近況やおすすめの本、座右の銘、フェチまで、たっぷりと教えてもらいました!

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

2019年2月、カーネギーホールにてニューヨーク・オラトリオ協会主催の
 シベリウス《クレルヴォ》交響曲のソリストを務め、好評を博した。
©Anna Yatskevich

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シカゴ・リリック・オペラに所属し、世界中のオペラの舞台で活躍している大西宇宙さん。2019年8月には、セイジ・オザワ松本フェスティバルのオペラ《エフゲニー・オネーギン》で日本でのオペラ公演デビューを果たし、国内外でのさらなる活躍が期待されています。

最近では、オンラインコンサートに出演されたり、Instagramでゲストを招いてライブトーク配信をするなど、活発に活動されているご様子ですが、どのようなことを考えていらっしゃるのでしょうか。

Q2からQ6は、質問リストの中からご自身に選んでいただきました。素顔の大西さんの魅力に迫ります!

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大西宇宙(おおにし・たかおき)さんプロフィール

ジュリアード音楽院卒業。シカゴ・リリック・オペラに所属し、数多くのオペラに出演。アメリカ、ヨーロッパの数多くのコンクールで優勝、上位入賞を果たす。2019年セイジ・オザワ松本フェスティバルで《エフゲニー・オネーギン》の題名役、2020年はカーネギー・ホールにてブラームス《ドイツ・レクイエム》批判校訂版の初演ソリストを務めている。第30回五島記念文化賞オペラ新人賞、第30回日本製鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞を受賞。
©Simon Pauly

Q1. コロナショックをうけて、ご自宅でどのような活動をされていますか? 今後の展望も含めて、教えてください。

今が蓄えるチャンスと捉え、今後の活動のための準備や勉強をゆっくり、じっくりとやっています。インターネットを通じた、リモート演奏の機会もいただいていますので、それが皆様のもとに届くのも楽しみにしています。

また、自分のInstagramで定期的にゲストを招いてライブチャットを行なったり、同世代の音楽家を巻き込んだりと、企画をいろいろと温めています。

今だからこそできる、音楽家同士のつながりを広げ、お互いに助け合うことで、コロナ収束後、団結して音楽活動ができるよう、みんなで協力できればと思っています。

Q2. 最近読んだおすすめの本を教えてください。

Simon Sinek “Start with Why”(邦題『WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う』サイモン・シネック)

何か物事を達成しようと思うとき、地位や権威欲からではなく、「なぜ自分はそうしたいのか」という理由と情熱をもち、チームを共感、共鳴させていくことの大切さを説いている本です。

リーダー論、マーケティング経営といった、いわゆるビジネス書にあたると思うのですが、芸術家にも共通してまったく同じことが言えると思います。特に今、多くの人が不安に駆られ、モチベーションを得られないでいるときだからこそ、読んでほしい本だと思いました。

彼のTEDトークもオススメです!(日本語字幕あり)

Simon Sinek “Start with Why”
サイモン・シネック『WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う』
栗木さつき訳、日本経済新聞出版

Q3. なにフェチですか?

「フーガ」と「偽終止」フェチです。マニアックですみません(笑)。


フーガというのはメロディーが音程を変えて追いかけながら重なっていく形式のことで、バッハによってよく使われたものですが、ロマン派の合唱曲、さらには、このようなタンゴの楽曲でも実は使われているんです。

ピアソラ:フガータ

「偽終止」というのは、カデンツ(終止形)でVの和音から本来、主和音に行くところをviにいくという、“終わると見せかけて解決しない”和声進行のことを指すのですが、聴いている側にはふわっとして不思議な気分、時にはセクシーな感覚にさせてくれる和音で、聴くたびにそのえもいわれぬ響きを楽しんでいます(笑)。
 モーツァルトはこの魔術の達人で、なかでもとても効果的に使われている、美しいこのオペラの二重唱をどうぞ。

モーツァルト:歌劇《魔笛》より「愛の心を知る人ならば」

Q4. 朝ごはんはパン派? お米派?

シリアルとコーヒー。

ときどきギリシャ風ヨーグルト+はちみつ。

ホテルの朝食も好きです。

ドイツ、プフォルツハイムでの朝ごはんの1コマ。

Q5. スポーツや体力づくりなど、身体のためにやっていることはありますか?

ジムにアクセスがあるときは通うようにしています。プッシュアップやプランクなど、器具なしでできる「宅トレ」も、特に今の時期にはよくやっています。

アメリカのジムにて。

Q6. 座右の銘を教えてください。

人事を尽くして天命を待つ。

Q7. 最後に、自分の演奏を1曲しか世の中の人に聴いてもらえないとしたら、どの音源を選びますか?

たびたびリサイタルで取り上げている、小林秀雄《落葉松》を選びたいと思います。

思い出も多く、海外、日本での演奏会でも大切に歌ってきた、自分のルーツとも呼べるべき曲だと思います。

2018年浜離宮朝日ホールでのリサイタルより

イベント情報
指揮者・原田慶太楼氏のトーク配信「Music Today」にゲスト出演!
日時: 2020年6月12日(金)21:00から
時から
 
視聴方法: YoutubeとFacebookからライブ配信。下記のリンクボタンからご覧いただけます。
 
ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

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