インタビュー
2020.07.27
アーティストの頭の中♡第6回

葵トリオ——第一印象やアンサンブルのために心がけていること、マイブームを大公開!

気になるアーティストさんの素顔をのぞき見しちゃう、一問一答メールインタビュー連載。
第6回は、葵トリオの小川響子さん(ヴァイオリン)、伊東裕さん(チェロ)、秋元孝介さん(ピアノ)が登場! それぞれの第一印象やアンサンブルの秘訣、そしてドイツでの生活の様子を教えてもらいました。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

ミュンヘン国際音楽コンクールのファイナルで演奏する葵トリオ
©Daniel Delang

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葵トリオはヴァイオリンの小川響子さん、チェロの伊東裕さん、ピアノの秋元孝介さんによって、サントリーホールの室内楽アカデミーをきっかけに2016年に結成されました。2018年に第67回ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で優勝するなど、数々の受賞歴を誇り、現在はドイツを拠点に活動を続けています。

深みのあるアンサンブルの秘訣とメンバーの素顔に迫るために、10の質問に答えてもらいました! まずはメンバーの第一印象とアンサンブルについて、さらにQ3からQ9ではそれぞれ5つずつ選んだプライベートに関する質問を通して、メンバーのキャラクターが見えてきます。

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葵トリオとは?

第67回ミュンヘン国際音楽コンクールのピアノ三重奏部門で、日本人団体として初の優勝を受賞した、現在もっとも注目を集めるピアノ三重奏団。

東京藝術大学、サントリーホール室内楽アカデミーで出会い、2016年に結成。「葵/AOI」は、3人の名字の頭文字をとり、花言葉の「大望、豊かな実り」に共感して名付けた。
第28回青山音楽賞バロックザール賞、第29回新日鉄住金音楽賞フレッシュアーティスト賞(新日鉄住金音楽賞は2019年4月より日本製鉄音楽賞に改称)受賞。
これまでに伊藤恵、中木健二、花田和加子、原田幸一郎、堀正文、松原勝也、山崎伸子に学ぶ。現在は拠点をドイツに移し、トリオ・ヴァンダラーのV. コックに学ぶほか、ミュンヘン音楽大学でフォーレ四重奏団のD. モメルツに師事しながら国内外で活動している。

Q1. メンバーそれぞれの第一印象を教えてください。また、一緒にアンサンブルを組んでみて、意外だった点などもあったら教えてください。

小川響子(ヴァイオリン)

©Peter Adamik
東京藝術大学を経て、同大学院修士課程修了。第10回東京音楽コンクール第1位、聴衆賞を受賞。国内の多くのオーケストラと協演するほか、小澤征爾、アンネ=ゾフィ・ムター、原田幸一郎、磯村和英、池田菊衛、小山実稚恵、山崎伸子、川本嘉子と共演。サイトウ・キネン・オーケストラに参加。サントリーホール室内楽アカデミー第3期、第4期フェロー。現在はベルリン・フィルハーモニー・カラヤン・アカデミーに在籍。

伊東 小川さんの第一印象は、中学生の頃、ヴァイオリニストの森悠子先生の発表会で無伴奏の超絶技巧曲の演奏を聴く機会があり、華やかで見事な演奏に圧倒されました。同じ歳と知って驚いた記憶があります。大学に入って仲良くなると、笑いのツボによく入るところが意外でした。

秋元 小川さんは、歌心が素敵なヴァイオリニストだと思いました。性格そのままの朗らかな演奏をするという印象ですが、いい意味でルーズな面もあり、そこもまたとても魅力的です。

伊東裕(チェロ)

©CODiS
東京藝術大学を経て、同大学院修士課程修了。第77回日本音楽コンクールチェロ部門第1位、徳永賞を受賞。関西フィル、日本センチュリーなどと協演。小澤国際室内楽アカデミー奥志賀、小澤征爾音楽塾オーケストラ、武生国際音楽祭、北九州国際音楽祭、宮崎国際音楽祭、東京・春・音楽祭などに参加。サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロー。現在はザルツブルク・モーツァルテウム大学でエンリコ・ブロンツィ氏に師事。

小川 伊東くんと最初に出会ったのは中学生のときで、当時から天才少年で本当に感銘を受けましたが、お話をするとシャイで寡黙な印象を受けました。意外だった点は、好奇心旺盛で話の引き出しが豊富で、案外おしゃべり好きなことです。本人は多分否定するかも……?(笑)

秋元 伊東くんは、真っ直ぐな感性を持ったチェリストだと思いました。天才肌のタイプと思っていましたが実はとても努力家でもあり、また音楽以外への好奇心が旺盛であることが面白い発見でした。

秋元孝介(ピアノ)

©CODiS
東京藝術大学を経て、同大学院音楽研究科修士課程修了。第2回ロザリオ・マルシアーノ国際ピアノコンクール第2位、第10回パデレフスキ国際ピアノコンクール特別賞などを受賞。各地でソロリサイタルを開くほか、オーケストラとの共演や室内楽公演、アウトリーチ活動も積極的に行なっている。サントリーホール室内楽アカデミー第3期フェロー。現在は東京藝術大学大学院博士課程に在籍しながら日本とドイツで演奏活動を行なっている。

小川 秋元くんの第一印象は、とても貫禄があり堂々としていて、涼しい顔をして難しい曲を完璧に弾いている印象でした。意外だった点は、普段は堂々としているのに少し驚きやすいところです。

伊東 秋元くんは芸大のモーニングコンサートでのチャイコフスキーの協奏曲の演奏を聴きに行っていて、すごいピアニストがいるなと思っていたところ、アカデミーで出会うことになりました。普段は落ち着いているのに酔うとはしゃぐのが意外でした。

Q2. 演奏面で、より良いアンサンブルやチームワークのために心がけていることはありますか?

小川 ひとつの演奏会のためだけに集まった室内楽グループよりは、リハーサル時間を長く取れるので、演奏中に気になったポイントは意見や解決方法が十分にまとまっていなくても、議題として発言することです。また、オーケストラなど、トリオ以外の活動でトリオに活用できそうな発見があった際は、積極的に共有します。

伊東 本番直前でなく早い時期に一度合わせをして、どのようなところを気を付けたらいいか確認しています。

秋元 できる限りディスカッションを多く取り入れることです。3人で息をそろえて演奏することはもう難しいことでもなんでもありませんが、より深い次元で音楽を共有するためには、些細なことでも言葉による意思疎通を億劫にしないように心がけています。

リハーサル風景。話し合いを重ねて、音楽を深めていきます。

Q3. 最近ハマっているものは?

小川 ゲーム実況を見ること。
秋元 万年筆。

こだわりの万年筆で手紙をしたためる秋元さん。

Q4. 最近お気に入りのアイテムを教えてください。

伊東 iPadは本当に便利だと感じています。楽譜を見たり楽譜に書き込んだりできますし、内蔵スピーカーが強力なので動画をダイナミックに楽しんだりできます。

Q5. 気分転換にはなにをしますか?

秋元 散歩。
伊東 YouTubeを見ます。クイズを楽しめるQuizKnockや、ゲーム実況などのチャンネルを見て楽しんでいます。

伊東さんオススメのQuizKnockによるクイズ動画

ミュンヘンのマリエン広場を散歩する秋元さん。
空き時間にはメンバーと散歩に出かけることも。

Q6. スポーツや体力づくりなど、身体のためにやっていることはありますか?

伊東 猫背を直すストレッチをするようにしています。

Q7. 好きな食べ物は?

小川 うどん。
秋元 焼きうどん。

小川さんは、なんと大好きなうどんを手作りするこだわりっぷり! 美味しそうです。
ドイツでの食事風景。みんなで作った餃子を囲んで。

Q8. もうひとつ楽器を始めるとしたら、何を選びますか?

小川 ピアノ!
伊東 もしまだ間に合うのならピアノを弾けるようになりたいです。

Q9. 演奏家(音楽家)じゃなかったら何をやりたかった?

小川 法律に関わる仕事。
伊東 最新の電化製品に興味があるので、そういったものに関わる仕事もしてみたかったです。
秋元 中学校の社会科教師。

Q10. 葵トリオの演奏を1曲しか世の中の人に聴いてもらえないとしたら、どの音源を選びますか?

小川 1枚目のCDに収録されているシューベルトのピアノ三重奏曲第2番です。この曲は、私たちがARDミュンヘン国際コンクールのファイナルで演奏した曲で、コンクールの期間中のたくさんの想い、景色、空気感が詰まっています。また、この曲はピアノ三重奏曲のジャンルの中で最高傑作のひとつで、私自身この曲をトリオ・ヴァンダラーの演奏会で聴いたときに、ピアノ三重奏曲の世界に引き込まれました。この音源を聴いて、ピアノ三重奏の良さを知っていただきたいです。

伊東 難しいですが、メンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第2番でしょうか。この3人で長い期間にわたって取り組んできて、2枚目のCDにも選曲した思い出深い曲です。

秋元 ミュンヘンコンクールの本選のシューベルトのピアノ三重奏曲第2番の演奏。いろいろと傷のある演奏ではありましたが、コンクールという緊張感のある舞台とシューベルトの晩年の音楽が、いい具合にマッチしているのではないかと思いました。

シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番より第1楽章、メンデルスゾーン:ピアノ三重奏曲第2番より第1、2楽章

今後の活動予定
「葵トリオ」公演

日時: 2020年11月14日(土)

会場: ハイスタッフホール(香川県観音寺市)

「葵トリオ」公演

日時: 2020年11月20日(金)14:00開演

会場: ザ・フェニックスホール(大阪市)

曲目: ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調「街の歌」op.11、細川俊夫/メモリー −尹伊桑の追憶に−(1996)、ラヴェル/ピアノ三重奏曲、メンデルスゾーン/ピアノ三重奏曲第2番 ハ短調op.66(予定)

料金: 全席指定3,000円

詳しくはこちら

<室内楽への招待> 葵トリオ(ピアノ三重奏)

日時: 2020年11月22日(日)14:00開演

会場: 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール 小ホール

曲目: ベートーヴェン/ピアノ三重奏曲第4番 変ロ長調 op.11「街の歌」、ピアノ三重奏曲第2番 ト長調 op.1-2、ピアノ三重奏曲第7番 変ロ長調 op.97「大公」

料金: 一般4,000円、青少年(25歳未満)1,500円

詳しくはこちら

札幌交響楽団 hitaruシリーズ新・定期演奏会 第3回

日時: 2021年1月28日(木)19:00開演

会場: 札幌文化芸術劇場 hitaru

出演: マティアス・バーメルト(指揮)、葵トリオ

曲目: 早坂文雄/左方の舞と右方の舞、ベートーヴェン/三重協奏曲、ドヴォルジャーク/交響曲第9番《新世界より》

料金: S席6,000円、A席5,000円、B席3,500円

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