チェリスト宮田 大にきく 多様なジャンルのプロ30人との“音楽の対話”から得たもの
ドヴォルジャーク「チェロ協奏曲」などの長年愛されてきた名曲から、いまを生きる作曲家による新作まで幅広く演奏し、チェロという楽器の可能性を広げてきたチェリストの宮田 大さん。
その宮田さんが、さまざまなジャンルのプロフェッショナルたちと対談・鼎談した『音楽の友』の好評連載「宮田 大 Dai-alogue~音楽を語ろう」が、2025年1月に同名の別冊として発売されました。この発売にあわせて、宮田さんにこの連載を通じて感じたことなどを語っていただきました。
1941年12月創刊。音楽之友社の看板雑誌「音楽の友」を毎月刊行しています。“音楽の深層を知り、音楽家の本音を聞く”がモットー。今月号のコンテンツはこちらバックナンバ...
平原綾香、山田和樹、ニコライ・バーグマン……多彩なゲストとの対話で考えがクリアに
――連載は『音楽の友』で2022年6月号から2024年6月号までの全25回で、音楽、舞踊、演劇、建築など、さまざまなジャンルの計30名のゲストの皆様にご登場いただきました。
宮田 初回の平原綾香さんから最終回のニコライ・バーグマンさんまで、30名もの皆様とお話しさせていただき、ほんとうに幸せでした。この対談で、ゲストのかたが私の思っていたことを言語化してくださったことがたくさんあって、頭のなかがクリアになったように感じました。
――音楽を軸に語り合ったことで、発見はありましたか?
宮田 音楽家以外のかたも、建築家の内藤 廣さんのように好きな作曲家の音楽を聴くことでパワーをもらったり、創作のイメージを膨らませるきっかけになっていたりと、やはり音楽は誰もが心のなかに持っているものなのだなと思いました。
音楽を聴いて、ふと過去の思い出、大切な人との時間を思い出すこともあるでしょうし、音楽というのはそうやって、つながりを作ることができるものなのだなと改めて思いました。
――山田和樹さんとの対談では、作品との向き合いかたについてのお話もありましたね。
宮田 作曲家や作品の背景を知ることで作品の理解を深めるという方法もありますが、演奏を通じて理解が深まっていくというのもあるかなと思います。
自分の若いころを振り返ると、音楽解釈の正解がわからなくて、こわごわと自分の気持ちを音にのせて演奏していた時代もあったと思うのです。でもいまは、ドヴォルジャークの「チェロ協奏曲」を演奏しながら、自分なりのアプローチでドヴォルジャークに少しでも近づいていると感じることができています。
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