プレイリスト
2020.01.24
おやすみベートーヴェン 第40夜【ボンでの少年・青年時代】

「自由な男」——男の生きざまと教訓を力強く歌う!

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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男の生きざまと教訓を力強く歌う! 「自由な男」

アルザス地方コルマール出身の作家で、仏独語翻訳家としても活躍したゴットリープ・コンラート・プフェッフェル(1736~1809)の10節の詩による有節歌曲で、第1稿は1792年にボン時代に書き上げられている。ウィーンに進出してから1794年暮れごろに改作して第2稿を作成している。

 

全体で20小節という小品だが、斉唱のコーラスとソロとが交互に歌い交わす問答形式の作品となっている。第1稿では4分の2拍子であったが、第2稿では2分の2拍子に改訂している。

 

4声体のコラール風の響きをもったピアノ伴奏の上にコーラスが、力強く「誰だ?誰なのだ?自由な男とは?」と問うと、ソロが「自分の意志にただただ忠実、暴君の気まぐれなどは物ともせずに、法で立ち向かうことができる者、彼こそが自由な男、自由な男!」と歌う。これを受けてコーラスも「彼こそが自由な男、自由な男!」と続ける。

 

第2~10節まで歌い出しはまったく同じ「誰だ、自由な男とは?」で始まる。第2節以降の男の条件は、法を守り尊ぶ男、自由のためなら冨も生命も惜しまぬ男、といった男の生きざまと教訓が並べられている。

解説:平野昭

「Wer, wer ist ein freier Mann?」自由な男について、合唱とソロのかけ合いで語る、元気いっぱいの1曲です。22歳の若きベートーヴェンは、この歌詞にある「自由な男」についてなにを想ったのでしょうか。

作品紹介

「自由な男」WoO117

作曲年代:1792年(第1稿)(ベートーヴェン22歳)

出版:1808年、1956年(第1稿)

 

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