シェーネル? シェーナー? 現代ドイツ流の発音で「第九」を歌ってみよう!
2020.02.08
おやすみベートーヴェン 第55夜【天才ピアニスト時代】
《時は長く》——ルソーと切なく歌う「時はなんと長いのか、遠く君から離れていると」
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
ONTOMO編集部
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ルソーと切なく歌う「時はなんと長いのか、遠く君から離れていると」 《時は長く》
ジャン=ジャク・ルソーによるフランス語の詞に、1793年の前半に作曲したもの。2稿残されるが、いずれも一部未完。
「時はなんと長いのか、遠く君から離れていると。自然のすべてが空しく思える。緑に繁る林さえ、君がそこにいないなら、僕には全く魅力ないところ、僕が魅かれることはない。君の声を聴けば、高鳴る僕の胸、君が話しかけてくれるなら、君の手が僕に触れるなら、僕の体は震えてしまうだろう」
解説:平野昭
『エミール』や『社会契約論』で知られるルソー、こんなに切ない詩を書いていたんですね。フランス語にベートーヴェンが作曲しているレアな作品です。
作品紹介
《時は長く》WoO116
作曲年代:1793年春(ベートーヴェン23歳)
出版:1902年
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