北欧とケルト、暮らしと音楽 Vol.4

北欧からクリスマス・ソングのプレゼント! 美しい女性ヴォーカルから、ユーモア溢れるバンドミュージックまで

プレイリスト
2018.12.12

サンタクロースが住む国・フィンランドをはじめ、クリスマスといえばやっぱり北欧。アイルランドやフィンランドから到着したクリスマス・ソングは、この時期、街中で良く耳にするアレンジとはまた違った趣きがあります。
北欧の美しい雪景色や暖かい暖炉の憩いの様子を思い浮かべながらお楽しみください。みなさま、素敵なクリスマスを!

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メインビジュアル:アイルランド政府観光庁
ナビゲーター
野崎洋子 音楽プロデューサー
野崎洋子
ナビゲーター
野崎洋子 音楽プロデューサー
1966年千葉県生まれ。日本大学文理学部出身。 メーカー勤務を経て96年よりケルト圏や北欧の伝統音楽を紹介する個人事務所THE MUSIC PLANTを設立。 コンサ...

基本的に家族/親族の行事であるクリスマスなので、普段、公演の視察や打ち合わせが目的でヨーロッパに行く筆者には、残念ながら現地でのクリスマスの思い出はない。
ただ12月ともなるとどこの目抜き通りもクリスマス・ショピングで賑わい、東京の街ほどではないにせよイルミネーションで明るく飾られまぶしいほどの景観となる。

そしてクリスマスに忘れてはいけないのがクリスマスパーティなどで振るまわれる温かいワイン。「グロッグ」は、安い赤ワインにスパイス(シナモン、クローブ)、オレンジ、ピーナッツなどを入れて温めたもので、身体の芯からほっこり温まる。
そしてアイルランドのクリスマス・ケーキも! アイルランドでは、日本のようにイチゴショートではなく日持ちするようにウイスキー漬けのドライフルーツやナッツがぎっしりつまった焼菓子が主流なのだ。

River/カーラ・ディロン(アイルランド)

この時期、嬉しいのは、大好きなアーティストたちから次々とクリスマス・ソングのプレゼントが届くこと。今年も多くのクリスマス曲がWebを駆けめぐっているが、ケルト北欧もので特に素晴らしかったのはこちらの女性アーティスト。

カーラ・ディロンは北アイルランドの出身。曲はカナダのシンガーソングライター、ジョニ・ミッチェルの傑作アルバム『ブルー』(1971年)より、《River》のカバー。カーラはセカンド・アルバム『スウィート・リバティ』のプロモーションで2003年に来日したことがあった。あの頃20代だった彼女も、今では3児の母。大きなマネジメント会社やレコード会社を離れ、自身でしっかり伝統音楽の道を歩いてきた彼女の、自信に満ちた強い志が感じられるトラックになっている。なお、彼女は2016年に『Upon a Winter’s Night』というクリスマス・アルバムをリリースしている。

Christmas Time Again/シャロン・シャノン&ウォリス・バード(アイルランド)

次はちょっと前のTV番組からのクリップ。
伝統音楽の楽しさを追究することにかけては世界一とも言うべき、アイルランドのアコーディオン奏者シャロン・シャノンが、同じくアイルランド出身のソウル・シンガー、ウォリス・バード(3月来日決定! 詳細はこちら)との共演を披露してくれた。
シャロンとウォリスにぴったりのポップで最高に楽しいクリスマス・ソングだ。

Kulkusillaan/アラマーイルマン・ヴァサラット(フィンランド)

そして笑える……という意味では、フィンランドのダークなユーモアあふれるこのクリップが必見。アラマーイルマン・ヴァサラットは、チェロ2名を従えたユニークな編成で摩訶不思議な音楽を演奏するインストゥルメンタル・グループ。現在は活動休止中の彼らだが、こちらは2013年の来日前に、日本の皆さんのために作られたクリスマス用のスペシャル・クリップ。なるほど日本人はマスクが大好きだということを表現しているのだろうか……。

同じくアラマーイルマン・ヴァサラットのひたすらダークなまま終ってしまう《きよしこの夜》もお薦め。ちなみにこの不思議なバンド名には「地下世界のハンマー」という意味がある。

Fiddling Christmas/ヤルヴェラン・ピックペリマニット(JPP)(フィンランド)

そして、こちらもフィンランドから。フィンランドの西、カウスティネンにはペリマンニ(農村楽師)という文化があるのだが、ペリマンニにとって音楽家としての活動はあくまで副業。普段は農作業をしながら、週末に冠婚葬祭のために演奏するのが基本の生活だ。そんなペリマンニ文化の代表格で、80年代世界に飛び出してきたのがJPPことJärvelän Pikkupelimannit(ヤルヴェラ村の小さなペリマンニたち)。バンドを率いるヤルヴェラ家の歴史は長く、その足跡は17世紀、当時活動を禁止されていた日曜日に演奏を行ない罰金刑を受けた領収書の日付にまでさかのぼることができる。バンドの中心人物で独自の教育法シスーキ・メソード(日本の鈴木メソードとフィンランド語の根性とか不屈の精神を表すSisuという言葉を組み合わせた造語)を推進してきたマウノ・ヤルヴェラの活動にも注目だ。
フィドルの演奏の中に独特のユーモア感覚があふれる。ヴァイオリン(フィドル)4〜6台、ハーモニウム(足踏みオルガン)、ダブルベースという編成。このトラックはスイングジャズの影響も感じられて、とってもご機嫌! 映像はメンバーでこの曲の作曲者でもあるアルト・ヤルヴェラが作ったJPP台湾ツアーの手作りスライドショー(笑)。

他にもケルト/北欧もののクリスマス・アルバムとしてお薦めは、ジャクソン・ブラウンのレベルソングが光るチーフタンズの大傑作『The Bells of Dublin』、美しいコーラスが印象的なアヌーナの『クリスマス・ウィズ・アヌーナ』ウインター・ソングス』、カナダの彷徨えるケルト人、ロリーナ・マッケニット『ミッドウインター・ナイツ・ドリーム』、スウェーデンの女性コーラスグループ、クラヤの『北欧の冬、そしてクリスマスを歌う』などがある。是非是非チェックしてみてください。

ダブリンの街では馬がトナカイの代わり? サンタクロースはどこへ行っても人気者だ(提供:アイルランド政府観光庁)
ダブリンのテンプル・バー地区でもイルミネーションがまぶしい(提供:アイルランド政府観光庁)
おばあちゃんが作るクリスマス用のスコーン(提供:アイルランド政府観光庁)
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