アリア《娘たちと仲良く》——ゲーテの舞台劇から楽しいアリアを
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ゲーテの舞台劇から楽しいアリアを アリア《娘たちと仲良く》
バスとオーケストラのためのアリアで、同じ時期に作曲されたと思われる《キスの試練》と同様に宮廷バス歌手J.ルックスのために作曲。
原作は、1776年に出版されたゲーテの歌付き舞台劇『ヴィラ・ベラのクラウディーネ』。その中で、「村の安宿の場」でクルガンティーノ(領主の姪に恋する盗賊団の首領、別名カルロス)が歌うのが、この《娘たちと仲良く》である。
1815年には、シューベルトが『ヴィラ・ベラのクラウディーネ』を3幕のジングシュピール(ドイツ語による歌芝居)として作曲している(D.239)。
「娘たちとは仲良くして、男たちとはやり合って。金銭よりも信用第一にして世の中を渡るのさ、娘たちとは仲良くして、男たちとはやり合って。宵に優しく歌ったリート、多くのハートを射抜いたぞ。壁際にいる焼餅男よ、出てこい剣を手に取って。追い出せ、叩き出せ、蹴っ飛ばせ、へなちょこ男。クリン、クリン、クラン、クラン。ディック、ディック、ダッグ、ダッグ。クリッ、クラッ!」
解説:平野昭
シューベルトの歌劇《ヴィラ・ベッラのクラウディーネ》より同じ場面
クリン、クリン、クラン、クラン。ディック、ディック、ダッグ、ダッグ……歌詞も音楽もリズミカルで、昨日に続き、若きベートーヴェンの作風を楽しむことができる1曲です。同じ詩に作曲しているシューベルトとの聴き比べもぜひ!
アリア《娘たちと仲良く》WoO90
作曲年代:1791/92年(ベートーヴェン21/22歳)
出版:1888年
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