「ピアノ・ソナタ第20番 卜長調」——第2楽章はウィーンで大流行していたメヌエット!
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
第2楽章はウィーンで大流行していたメヌエット! 「ピアノ・ソナタ第20番 卜長調」
また面白いのが、Op49-2のメヌエットは、「七重奏曲」(Op20)第3楽章のメヌエットと調は違いますが、同じ主題で書かれています。「七重奏曲」のメヌエットは当時大流行し、ベートーヴェン自身もお気に入りの主題でした。
――小山実稚恵、平野昭著『ベートーヴェンとピアノ「傑作の森」への道のり』(音楽之友社)41ページより
昨日紹介した「ピアノ・ソナタ第19番」と同様、実弟カールによって出版の話が進められた作品です。詳しくは、週刊「ベートーヴェンと〇〇」vol.10 ベートーヴェンと分けられた(?)ソナタでも紹介しています。
ベートーヴェン本人は出版に乗り気ではなかったようですが、渋々了解した理由のひとつが、第2楽章のテーマがすでに大流行していたことだそう。「ウィーンの誰もが知る曲」と言っていいほどだったという「七重奏曲」(Op20)第3楽章と聴き比べてみましょう。
「ピアノ・ソナタ第2o番 卜長調」Op49-2
作曲年代:1796年2月、1797年〜1798年初頭(ベートーヴェン26歳、27〜28歳)
出版:1805年1月美術工芸社
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