プレイリスト
2020.04.18
おやすみベートーヴェン 第125夜【天才ピアニスト時代】

「ロンド第2番 ト長調」——20年、別曲として扱われた姉妹作品の片割れ

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

1792年、22歳のベートーヴェンは故郷ボンを離れ、音楽の中心地ウィーンに進出します。【天才ピアニスト時代】では、ピアニストとして活躍したウィーン初期に作曲された作品を紹介します。

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

この記事をシェアする
Twiter
Facebook

20年、別曲として扱われた姉妹作品の片割れ「ロンド第2番 ト長調」

Op.51は、現在でこそ慣用的に正規の作品番号として使われているが、本来は非正統な番号であった。

すでに紹介したロンド第1番 ハ長調Op.51-1は、1797年あるいは96年の作品で、1797年10月にアルタリア社から出版されたが、そのときには作品番号はなかった。

同様に、1798年の後半に作曲され、1802年9月にアルタリア社から初版出版された第2番のト長調も、作品番号なしでM.リヒノウスキー伯爵夫人ヘンリエッテに献呈されている。

 

その後も2曲は個別に出版され続けたが、1819年にF.ホフマイスター社が編纂した『ベートーヴェンの器楽作品目録』で、はじめて2つのロンドがOp.51としてまとめられたのである。

 

この全254小節に及ぶ作品は、きわめて特異な形式構成をとっている。即興曲風かつ幻想曲風であって、たぶんにポリフォニック(対位法的)な旋律の絡みが見られる。

解説:平野昭

「ロンド第1番 ハ長調」と姉妹作品として作曲されながら、20年のあいだ別の作品として出版されていたのですね。ユニークで、幻想的な雰囲気は共通しているようです。ぜひ、2曲続けて聴いてみましょう。

作品紹介

ロンド第2番 ト長調 op.51-2

作曲年代:1798年(ベートーヴェン28歳)

出版:1802年

ONTOMO編集部
ONTOMO編集部

東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

ONTOMOの更新情報を1~2週間に1度まとめてお知らせします!

更新情報をSNSでチェック
ページのトップへ