2020.06.12
おやすみベートーヴェン 第180夜【作曲家デビュー・傑作の森】
「(自作主題による)6つの変奏曲」——ベートーヴェン初の自作主題による変奏作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
1800年、30歳になったベートーヴェン。音楽の都ウィーンで着実に大作曲家としての地位を築きます。【作曲家デビュー・傑作の森】では、現代でもお馴染みの名作を連発。作曲家ベートーヴェンの躍進劇に、ご期待ください!
ベートーヴェン初の自作主題による変奏作品「(自作主題による)6つの変奏曲」
ベートーヴェンに弟子入りする生徒が絶えなかった1797年頃、伯爵令嬢アンナ・ルイーゼ・バルバラ(1780頃〜1813)という少女にピアノを教えていました。
彼女は1801年にプレスブルクでインノチェンス・デルバ・オデスカルキ侯爵(1778〜1831)と結婚している。1802年に作曲され、翌年に出版される重要作《自作主題による6つの変奏曲》作品34の被献呈者名はオデスカルキ侯爵夫人バルバラとなっている。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)58ページより
彼女はアマチュアながらも演奏技術が高かったそうです。この曲のほかにも、「ピアノ協奏曲第1番ハ長調」Op.15や「ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調」Op.7も彼女に献呈されています。ベートーヴェン自身が作った主題で書かれた変奏曲は、この作品が初めてです。落ち着きがあり、可愛らしい主題と、いろいろな性格の変奏をお楽しみください。
作品紹介
「(自作主題による)6つの変奏曲」Op.34
作曲年代:1802年(ベートーヴェン31歳頃)
出版:1803年4月
アンナ・ルイーゼ・オデスカルキに献呈
平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)
おやすみベートーヴェン
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
2020.12.15
《大フーガ》(4手)変ロ長調——最高傑作の内容を余すところなく反映させたピアノ連...
2020.12.14
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第3、4楽章——重態のベートーヴェンが見舞い客の実...
2020.12.13
「弦楽四重奏第16番 ヘ長調」第1、2楽章——弟ヨハン邸宅の美しい環境で書かれた...
2020.12.12
「弦楽四重奏第14番 嬰ハ短調」第5〜7楽章——カールの将来についてベートーヴェ...
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly
新着記事Latest
2021.01.22
サイモン・ラトル、「人生を変えた」バイエルン放送響の首席指揮者に就任決定
2021.01.22
演奏の感覚を損わずに最大限の防音効果を! ピアノ防音装置 スーパーミラクルソフト
2021.01.22
英国ロイヤルバレエ団プリンシパル高田茜がNBAバレエ団「シンデレラ」で主演決定!
2021.01.22
冬の京都の寺に現れた小悪魔の思い出と、幻想的な詩に着想したラヴェルのピアノ曲
2021.01.21
線の多い景色と、柔らかくも厚みある40声部のポリフォニー
2021.01.21
ベートーヴェンと宇宙〜カントから「第九」へ
2021.01.20
第18回ショパンコンクール予備予選3ヶ月延期が発表! 2021年7月開催予定
2021.01.20
音楽大学と音楽業界を結ぶ、新たなビジネスモデル「大音ラボ」