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2020.10.05
おやすみベートーヴェン 第295夜【不滅の恋人との別れ】

「田園カンタータ《楽しい乾杯の歌》」——かかりつけ医師の依頼で書かれたイタリア語作品

生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。

ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

監修:平野昭
イラスト:本間ちひろ

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かかりつけ医師の依頼で書かれたイタリア語作品 「田園カンタータ《楽しい乾杯の歌》」

カンタータと言っても、楽曲は全100小節の小さなもの。前半はアレグロ、変ロ長調、8分の6拍子で快活に聖ヨハネの日を祝う。後半ではアダージョ、変ホ長調、4分の2拍子となって聖人への宗教的な祈りとなる。

「楽しい乾杯の歌を、さあ、みんなでジョヴァンニのために歌おう」「ずっと幸せに、長生きを! 世の役に立ち、友に愛されるわれらの時代の医神エスクラピオよ! ジョヴァンニ万歳」。

1814年6月の作曲のこのカンタータの詩は、1797年からウィーン宮廷図書館に勤務していたイエズス会牧師で儀式詩人(さまざまな式典に応じて、必要な詩を作成する)として知られたクレメンテ・ボンディ(1742~1821)による。

1806年からベートーヴェンのかかりつけの医師のひとりで、友人でもあったヨゼフ・フォン・ベルトリーニ(1784~1861)が、1814年に彼の恩師である医師ヨハン(イタリア名ジョヴァンニ)・マルファッティ(1775~1859)の霊名祝日のお祝いとして、ボンディにイタリア語の詩を、ベートーヴェンに作曲を依頼したものだ。

解説:平野昭

1844年は《フィデリオ》の決定稿をはじめ、声楽作品が集中しています。機会音楽として書かれ、すぐに出版もされなかったとはいえ、明るさと美しさを併せもつ作品。ベートーヴェンの職人技をお楽しみください。

作品紹介

 「田園カンタータ《楽しい乾杯の歌》」WoO103

作曲年代:1814年(ベートーヴェン44歳)

出版:1945年

ONTOMO編集部
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神楽坂を拠点に、取材・編集作業をしています。

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