《第九》が年末に演奏される理由とは?《第九》トリビアを紹介!
2020.12.16
弦楽五重奏曲断章ハ長調——最終回! 穏やかな雰囲気に包まれた未完の絶筆作品
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
ウィーン会議、ナポレオンの没落......激動のウィーンで43歳になったベートーヴェン。「不滅の恋人」との別れを経て、スランプ期と言われる時期を迎えますが、実態はどうだったのでしょう。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
全10小節、演奏時間が30秒ほどのミニアチュアとも言えないような作品。1815年ころのベートーヴェンの楽器法の学習のために書かれたものと思われる。「ヘ長管のホルン(ワルトホルン=ナチュラルホルン)」と指定された変イ長調の作品だが、冒頭は変イ短調の響きで、最後は変イ長調で終止する。
解説:平野昭
ベートーヴェンの楽曲には、「ホルン・ソナタ」や「交響曲第3番 変ホ長調《英雄》」の第3楽章スケルツォのトリオ部冒頭のホルン3重奏など、ホルンの見せ場が多くあります。
楽器法の学習のために書かれたとされるこの作品。11月下旬公開予定の「交響曲9番」第3楽章中盤のホルン・ソロにもつながったのでしょうか。
「3本のホルンのためのアダージョ」
作曲年代:1815年ごろ(ベートーヴェン45歳ごろ)
出版:1938年