祝典劇《献堂式》合唱——ソプラノ独唱と混声四部合唱、オーケストラによる華やかな作品で劇場の完成をお祝い
生誕250年にあたる2020年、ベートーヴェン研究の第一人者である平野昭さん監修のもと、1日1曲ベートーヴェン作品を作曲年順に紹介する日めくり企画!
仕事終わりや寝る前のひと時に、楽聖ベートーヴェンの成長・進化を感じましょう。
48歳となったベートーヴェン。作品数自体は、これまでのハイペースが嘘のように少なくなります。しかし、そこに並ぶのは各ジャンルの最高峰と呼ばれる作品ばかり。楽聖の「最後の10年」とは、どんなものだったのでしょう。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
ソプラノ独唱と混声四部合唱、オーケストラによる華やかな作品で劇場の完成をお祝い 祝典劇《献堂式》合唱
「祝典劇《アテネの廃墟》のための行進曲と合唱」と「祝典劇《献堂式》序曲」に続き、ヨーゼフシュタット劇場リニューアル・オープンの杮落とし公演のために準備された作品です。
このヨーゼフシュタット劇場のオーケストラ・コンサートマスターにアマチュアにしては腕達者なヴァイオリン奏者アントン・シンドラー(1795〜1864)がいた。
シンドラーはチェコのオルミュッツ近郊メードルの生まれで、地元で学校教師と教会の合唱長を務める父親からヴァイオリンの手ほどきを受け、18歳まではオルミュッツで一般教育を受けた。その後ウィーン大学で法学や哲学を修めたかなりの自信家であった。ウィーンでは、さまざまな演奏会の場で音楽ファンとしてベートーヴェンと短い会話をしたことはあったようだが、親密な関係になったのはこのヨーゼフシュタット劇場の杮落とし公演以降のことであった。後年、シンドラーは『ベートーヴェン伝』を書いている。
——平野昭著 作曲家◎人と作品シリーズ『ベートーヴェン』(音楽之友社)177、178ページより
ソプラノ独唱と混声四部合唱、オーケストラによる作品です。杮落とし公演ではアントン・シンドラーがコンサートマスターを務めました。1分20秒からは、美麗なヴァイオリン・ソロがソプラノ独唱と掛け合う見せ場があります。シンドラーはどのように演奏したのでしょうか。
祝典劇《献堂式》合唱WoO98
作曲年代:1822年9月下旬(ベートーヴェン52歳)
出版:1888年
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