記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
この作品は《ソナタ》第1番より2年ほど前に作られたのだが、《ソナタ》で感じられる躊躇もぎこちなさもない。ショパンが慣れ親しんでいたマズルカのリズムと、リディア調による哀愁のある旋律が聞こえてくる。彼が終生、手放すことなく、素材として何度も戻っていったポーランド民族音楽が、ショパンの手によって和声的にも旋律的にも複雑にされ、芸術音楽の域に達している。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)25〜6ページより
ピアノ・ソナタ第1番は、エルスネル先生に習ったことを発揮しようと気負ってしまい、ショパンらしい繊細さと独創性に欠いていると評価されてしまいましたが、それに対して、《マズルカ風ロンド》は若々しさと素直さが感じられるショパンらしい作品に仕上がっているそう。マズルカを主題に選んでいることからも、ショパンらしさが見られますね。
《マズルカ風ロンド》ヘ長調Op.5
作曲年代:1826年(ショパン16歳)
出版:1828年
献呈:アレクサンドリーヌ・ドゥ・モリオール伯爵令嬢