12の練習曲 Op.25――最高の先生が生み出した芸術的な練習曲
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
12の練習曲 Op.25
《練習曲集》作品25は、シューマンが「練習曲というよりも詩だ。変イ長調の和音が波となって耳に響く」と賞賛した作品を第1番にもつ。マヨルカ島行きの一年前、1837年には出版され、リストの愛人マリー・ダグー伯爵夫人に献呈された。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)223ページより
パリのサロンはショパンのような存在を求めていた。そのレッスンを受けて、自分に見合った練習曲を課題にもらう。その練習曲は指の訓練に役立つばかりか、芸術作品として認められる美しさにもあふれているのだ。これほど理想的な練習曲と先生という組み合わせは、ほかには例をみないほどのもので、生徒は確実に成果をあげていった。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)75ページより
「12の練習曲Op.25」は、《エオリアン・ハープ》(第1番)、《木枯らし》(第11番)、《大洋》(第12番)といたニックネームで呼ばれる曲も入った、ショパン作品の中でも人気の曲集です。
op.15の12曲とまとめて「24の練習曲」として収録されることも多いですが、別の作品番号が与えられています。しかし、ハ長調の分散和音で始まり(op.15-1)、ハ長調の分散和音で終わる(op.25-12)など、セットとしての意識も持っていたのかもしれませんね。
op.15がリストに献呈され、op.25がリストの愛人だったダグー伯爵夫人に献呈されているのにも、つながりを感じます。
12の練習曲 Op.25
作曲年代:1835-37(ショパン25-27歳)
出版:1837年
献呈:à Madame la Comtesse d’Agoult
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