記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
作品37の2曲はマヨルカ島への旅に相前後して作れられたものだと思われる。(中略)《ノクターン》ト長調・作品37の2は1839年の作曲で、サンドとともに行ったマヨルカ島へ渡る蒸気船の揺れと、耳にした操舵手のけだるい歌声を思い出しているかのようだ。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)191〜192ページより
1839年の冬、ショパンとサンドはマヨルカ島への旅に出かけます。理由は、冬のパリは暖房に使う石炭から出る煙で空気が汚れていて、咳き込むショパンにとっていい環境とは言えなかったためです。医者からも、暖かい場所で過ごす転地療法を勧められていたそう。
ノクターンOp.37は、その旅路の前後に作曲されました。きっとこのときショパンは、温暖な場所でサンドと一緒にゆったりと過ごせると、マヨルカ島への期待を膨らませていたことでしょう。
2つの夜想曲Op.37
作曲年代:1838〜39(ショパン28〜29歳)
出版:1840年
献呈:なし