プレイリスト
2022.12.02
ただいまショパン第40回

2つのポロネーズ Op.40――高揚と抑鬱、祖国への思い...力強い《軍隊ポロネーズ》と陰鬱な「ハ短調」のセット

ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。

ONTOMO編集部
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東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...

イラスト:本間ちひろ

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2つのポロネーズ Op.40

《ポロネーズ》イ長調 op.40-1(通称:軍隊ポロネーズ)と《ポロネーズ》ハ短調op.40-2は1838年と1839年、マヨルカ島滞在の前後に作曲されました。

力強く勇ましいイ長調と、陰鬱で諦めを滲ませたハ短調のセットで出版されています。

高揚と抑鬱、それはショパンも含めてパリにいるポーランドの人々の祖国に対する共通する感情であると同時に、パリの貴族たちの退廃的気分にも通じる。

——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)180ページより

作品はマネージャーのように出版社との交渉を担当するなどショパンの作曲家人生に大きく貢献したと同時に、良き友でもあったジュリアン・フォンタナに献呈されています。

ジュリアン(ユリアン)・フォンタナ(1810−1869)。ショパンと同い年、音楽院での同門生でもあったピアニスト、作曲家。1830年のポーランド11月蜂起に参加したために、1832年出国。ショパンの死後はキューバやアメリカなどで活動し、最後までポーランドに帰ることなくフランスで没した。

この時期、フォンタナはマヨルカ島にいるショパンに変わりパリでの交渉役として大活躍でした。祖国へ帰れない身の上を共にした幼なじみには、最高の贈り物だったのではないでしょうか。

作品紹介

2つのポロネーズ Op.40

作曲年代:1838-39(ショパン28-29歳)

出版:1840年

献呈:Julian Fontana

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