記者会見でショパンコンクールの課題曲変更点が発表! 小林愛実も登場し思い出を語る
2023.03.01
チェロ・ソナタ Op.65――盟友に献呈された、生前最後の出版作品
ショパンの作品を全曲聴いてみよう! ショパン自身がつけた作品番号順に聴くことで、ショパンの“設計図”が見えてきます。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
バラード第4番へ短調・作品52は、1842年から1843年にかけて作られた。当時のショパンの思いがこめられているかのようだ。恩師ジヴニーと親友マトゥシンスキの死。そのような内面の陰影がこの作品には感じられる。
——小坂裕子著 作曲家◎人と作品シリーズ『ショパン』(音楽之友社)134ページより
1842年、故郷の恩師ジヴニーの死の知らせを2月に受け取り、4月20日にはポーランド時代からの友人マトゥシンスキを看取ったショパン。この二人の死は、ショパンの人生に大きな影を落とします。
創作活動の点では、量・規模の両面で頂点を迎えていたショパン。暗い影を落とす大作バラードは、このジャンルの最後の曲となりました。
作品はパリ社交界の花形、ショパンのパトロンでもあった銀行家ジェームス・ド・ロスチャイルドの娘シャルロットに献呈されています。シャルロットはショパンのピアノの弟子であり、画家としても活動しました。
バラード第4番 ヘ短調 Op.52
作曲年代:1842-1843(ショパン32-33歳)
出版:1843年
献呈:シャルロット・ド・ロスチャイルド