
10年ぶりにアップデートしたハモンドオルガン新製品の開発ヒストリー


東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
電子オルガンの老舗ブランド「HAMMOND ORGAN」の最新モデル発売を記念したトークイベント&試奏会が、2026年3月7日と8日、鈴木楽器販売東京支店で開催された。ハモンドオルガン奏者の河合代介さんによる実演、開発担当者の落合由宜さんを交えたトークセッションが行なわれ、開発秘話が語られた。
演奏:河合代介さん
ハモンドオルガンは、アメリカ出身の電気時計製作者、ローレンス・ハモンド(1895~1973)によって開発されたオルガン。当時、教会で演奏されていたパイプオルガンが劇場・ホールでも演奏されるようになり、オルガンの電気化の研究・開発がスタート。1934年、電子オルガン「HAMMOND ORGAN」が完成。
現在、鈴木楽器製作所がハモンド・オルガン・カンパニーから技術とブランドを受け継ぎ、ハモンドオルガンの製造・販売を担っている。
今回発表されたのは、ハモンドオルガンの新フラッグシップモデル「XK-7」と「XK-7D」。1930年代の伝説の名機「B-3」(販売終了)に代表されるヴィンテージオルガンのサウンドを、最新モデリング技術で再現したコンボオルガンとなる。新音源「Virtual Electro Mechanical(VEM)」を搭載し、電気回路の揺らぎや個体差、わずかなノイズまで含めた独特の音色をリアルに再現する。
鍵盤も新設計の「6 Contacts Long(6L)鍵盤」を採用。従来モデルより接点構造を見直し、軽く触れたときの発音や打鍵のニュアンスなど、ヴィンテージオルガン特有の演奏感をより自然に表現できるようになった。
これは前フラッグシップモデル「XK-5」からの大きな進化点で、音源エンジンと鍵盤の両面を刷新したことで、よりリアルな“トーンホイールオルガン体験”を目指したモデルといえる。

ハモンドオルガンは、シンセサイザーのように電子的に音色を作る楽器とは少し異なる。内部の仕組みをもとに音を生み出し、ドローバー* と呼ばれるレバーで音色を調整するのが特徴だ。複数の鍵盤や足鍵盤を使う演奏スタイルもあり、ジャズやロック、ソウルなどで“うねるオルガンサウンド”を生み出してきた。
*ドローバー:中央部もしくは左側に並んでいる複数の棒。ドローバーは前後に動き、手前に引き出したり、奥へ押し込んだりして、音色を変化させるのに用いる。引き出す分量と複数のドローバーによる組み合わせによって、2億以上の種類の音色を創り出すことができる。

楽器を選ぶときは、自分で触って、音を出してみて、実際に体験してもらいたい。アマチュアや初心者の方に「どういう楽器を買ったらいいですか?」ときかれることがありますが、初心者こそ一番良いものを買ったほうがいいですよ。これはオルガンに限らずどの楽器であっても、「楽器をやりたい、始めたい」という方には、そう言っています。良い楽器は、(鳴らしたあとに)返ってくる音がぜんぜん違うんです。楽器を学ぶことにおいて重要ですね。
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