レポート
2026.10.20
海外クラシックNEWS~音楽祭編-ミュンヘン・オペラ・フェスティヴァル2026/Worldwide classical music report about Music Festivals, "Münchner Opernfestspiele 2026"

9万人を集めたミュンヘン・オペラ・フェスティヴァル

期間:2026年6月18日~7月31日

欧州で行われた、2026年夏の音楽祭から、ドイツのミュンヘンで行われた、ミュンヘン・オペラ・フェスティヴァルのもようをお届けします。

来住千保美
来住千保美 音楽ジャーナリスト

音楽学/音楽ジャーナリスト。1991年からドイツのケルン、デュッセルドルフ、現在はミュンヘン在住。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒業、ドイツのケルン大学法学部を経て...

「みんなのためのオペラ」の劇場前© Geoffroy Schied

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バイエルン州立歌劇場の今年の「ミュンヘン・オペラ・フェスティヴァル」は6月18日~7月31日だった。期間中、約9万人の観客を集め、座席占有率は98パーセントだった。今年はオペラ(12作品33公演)、リーダーアーベント、バレエ、室内楽コンサート、講演会などさまざまな催しがあった。

オペラ・フェスティヴァル期間中に新制作初日を迎える「オペラ・フェスティヴァル・プレミエ」は、ワーグナー《ワルキューレ》(初日:6月25日、ナツィオナールテアター、指揮:バイエルン歌劇場オペラ音楽総監督ウラディーミル・ユロフスキ、演出:トビアス・クラッツァー)とヘンデル《アルチーナ》(初日:7月13日、所見日:7月21日、プリンツレゲンテンテアター、指揮:ステファーノ・モンタナーリ、演出:ヨハンナ・ヴェーナー、美術:ベンジャミン・シェーネッカー、衣裳:エレン・ホフマン、他)だった。

まず《ワルキューレ》はチケット発売と同時に売り切れ、上演はその期待を裏切らないものだった(『音楽の友』2026年9月号参照)。来年のオペラ祭ではこれから初日を迎える《ジークフリート》、《神々のたそがれ》を加えて、7月に2回の《ニーベルングの指環》ツィクルス上演を予定しており、すでにプレオーダーが始まっている。

もう一つの《アルチーナ》新制作は、演出に問題があった。演出の焦点が定まらず、言いたいことがわからない。ただ、音楽的にはすばらしいレヴェルだ。アルチーナ役ジャンニーヌ・デ・ビク、モルガーナ役エルザ・ベノワの二人のソプラノに加え、ルッジェーロ役ジョン・ホリデイ(カウンターテナー)、オロンテ役ユリアン・プレガルディエン(テノール)の歌の響演、それを支えるモンタナーリの活き活きした音楽作りは極上だ。

その他、評判が高かったのは、5月10日に世界初演したブレット・ディーン《オブ・ワン・ブラッド》だった(『音楽の友』2026年7月号参照)。

リーダーアーベントにはアスミク・グリゴリアン、クリスティアン・ゲルハーヘルなどが登場した(ヨナス・カウフマンはキャンセルしている)。なかでもゲルハーヘルが2晩連続で行ったリーダーアーベントは大きな感動をよんだ(7月26日、クヴィリエ・テアター、シェック《エレジー》/7月27日、ナツィオナールテアター、シューベルト《冬の旅》)。

また、BMWのスポンサリングを受けて無料で開催する「みんなのためのオペラ」は7月4日《ワルキューレ》。ナツィオナールテアター前のマックス・ヨーゼフ・プラッツの特別野外会場でのスクリーン中継と、インターネットでのライヴ中継を合わせて、計3万5000人が視聴した。 

「みんなのためのオペラ』《ワルキューレ》© Geoffroy Schied
「みんなのためのオペラ』の《ワルキューレ》から© Geoffroy Schied
来住千保美
来住千保美 音楽ジャーナリスト

音楽学/音楽ジャーナリスト。1991年からドイツのケルン、デュッセルドルフ、現在はミュンヘン在住。早稲田大学第一文学部ドイツ文学科卒業、ドイツのケルン大学法学部を経て...

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