夏至祭をやってみた。――手作りミッドサマー・ポールに集まって、北欧や東欧のお祭りを再現!
6月特集「夏至」の総決算!! ONTOMO編集部がノリと体当たりで臨む、編集部やってみた企画、第7弾は「夏至祭をやってみた。」! 夏至ってそもそも何をやるの? というリサーチから始まった編集部。北欧諸国で行なわれる夏至の催しをいろいろ試みてみることに。
気分は北欧。夏至の祝祭感をお裾分け。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
1974年生まれ。東京藝術大学音楽学部楽理科卒業、同大学院修士課程修了。Maqcuqrie University(シドニー)通訳翻訳修士課程修了。2008年よりクラシ...
1985年生まれ。千葉大学文学部卒業、一橋大学社会学研究科修士課程修了。 大学在学中より演奏活動を開始し、臼庭潤、南博、津上研太、音川英二など日本を代表する数々のジャ...
1978年、神奈川に生まれる。東京学芸大学大学院修了。2004年、『詩画集いいねこだった』(書肆楽々)で第37回日本児童文学者協会新人賞。作品には絵本『ねこくん こん...
編集部の夏至祭、手探り状態で決行!
6月の特集テーマが「夏至」に決まり、筆者の方に原稿依頼を出し、ひと息ついた頃のこと。
編集長 「夏至祭、やってみる?」
「特集に何かが足りない」とモヤモヤしていた編集長のひらめきと鶴のひと声(?)で開催決定。会場は、都心から近くてフォトジェニックな若洲キャンプ場。新人編集部員Mが北欧と東欧の夏至祭の内容を調べまくり、数多ある各地の風習をリストアップ。
で、どれを実行するの?
- 花かんむりを作る(だって乙女だから)
- 焚き火をたく(地域によっては象徴的な存在)
- 焚き火の周りで歌って踊る(音楽メディアだし)
- ごはんを食べて、お酒を飲む(必須)
会場到着~セッティング
まずは花かんむり作り
夏至祭のマストアイテム、花かんむり。
スウェーデン、フィンランド、ラトヴィアをはじめ、女性は花かんむりをかぶって歌や踊りを楽しみます。1年間の健康を祈念してかぶるという国もあるようです。
花かんむり担当は前日に100円ショップに買い出しに。今回は手軽さを重視して造花で作ってみることにしました。
ちなみに「お花をつける」という楽しげな過程の裏側には、過酷な下準備が。
1. それぞれの花を一輪ずつにバラし、ワイヤーをテープで装着
2. 造花の茎部分で作った輪に、好みのお花をつけていく
……というだけなのですが、夏至祭直前のONTOMO編集部は、さながらお花畑という名の戦場。密かに「他にもっと重要なことあるよ……」とオーラを出していた編集長に気づいていたか?
(実はドビュッシーがいるよ。見つけられるかな?)
想定外のミッドサマー・ポール登場!
ここで想定外、絵本作家の本間ちひろさん特製、ミッドサマー・ポールが登場。前日にスウェーデン大使館のアダムさんから本場情報を仕入れ、夏至祭への気持ちに火がついた本間さん。
なんと、背丈より高いスウェーデンのミッドサマー・ポールを作ってきてくださいました。分解していたポールを組み立て、ご実家から持参したという葉っぱを絡ませたら……立たせます! そびえ立つ夏至祭の象徴。
我々の空虚なキャンプサイトが、俄かに北欧の様相を呈してきました。後ろの木立とか、もう北欧の森じゃないですか! ※北欧の森を見たことはありません
隣近所で立派なテントを張っている歴戦のキャンパーたちに囲まれて、場違い感が満載です。異空間~。
ミッドサマーストングに下げる、例の2つの丸を、長めの枝をつないで作る。枝が少し余ったので、葉っぱだけだけど、冠も作ってみた。(本間さん記)
祭りのメイン、歌と踊りの時間
スウェーデンの乾杯の歌「ヘーランゴー(Helan går)」、日本では「トットトコ」として知られるスウェーデン民謡「ヤンタ オ ヤ(Jänta å ja)」、そしてラトヴィアの夏至祭の歌「リーゴ(Līgo!)」の3曲に挑戦。
なんとなく配られた楽譜を、なんとなく道中で覚えて、本番に臨みました。そしてなんとなく撮影された写真のアー写感。
ONTOMOリコーダー部と、別件の取材も兼ねて呼ばれたスペシャル・ゲストのジャズベーシスト、小美濃悠太さんによる素晴らしいアレンジで盛り上がります。小美濃さんのベースがなかったら、空中崩壊してましたね。
待ちに待ったディナー!
楽しく歌って踊っていたら、おなかがすいてきた。アウトドア好きの編集長と旦那さんが、手慣れた手つきで焚き火と晩餐の準備を進めてくれています。
スウェーデンではポールを囲みますが、ラトヴィアやノルウェーでは焚き火を囲んでビールを飲んだり踊ったりする風習があるそうです。
グラスにビールを注ぎ、先ほどの「へーランゴール」でスコール(乾杯)!!
本間さん 「本来、ここで一気に飲み干してグラスを空にします。」
「へーランゴール」はスウェーデン語で「全部飲んじゃえ!」という意味だそう。日本語でも「杯を乾かす」と書いて「乾杯」ですね。※お酒は20歳を過ぎてから自己責任でお願いします
さあ、宴の始まりです。
スウェーデン
- 酢漬けニシンとジャガイモ……の予定が、酢漬けのニシンは入手困難につき、燻製ニシンのオイル漬け缶詰で代用
- サーモン
- スペアリブ
- ベリー
フィンランド
- 乳製品やソーセージやジャガイモ
ラトヴィア
- チーズとビール
ノルウェー
- ホットドッグ
まずはスウェーデンの夏至祭でよく食べられる、ニシンとジャガイモを実食。編集長お手製ドレッシングが美味しいと評判に。味の決め手はディルというハーブ。
燻製ニシンは、くさみが少なくて食べやすい。ベビーリーフやディルと一緒にバゲットにのせてもいい感じです。
ディル、飾りだと思って捨てていませんか? 魚や肉料理にちらすだけでさわやかな風味が広がる万能ハーブ。サーモンとクリームチーズ、ディルを挟めば「スウェーデン風サンドウィッチ」。皆さまも夏至にどうぞ!
(ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)
次に、サーモンやスペアリブのBBQ。編集長が下味をつけておいてくれたスペアリブが絶品です。直火でじっくりと火を入れたので、ほどよくジューシー。
ワイルドに骨にかぶりつく編集部員たち。
友だちのフランス人のおばあちゃんが「骨の周りが一番美味しいのよ! 犬のように食べなさい!」と言っていました。自然のなかでガシガシと食べれば最高のご馳走ですね。
(ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)
ノルウェーではホットドッグを食べるということで、ニューヨーク留学経験のあるアメリカ代表すぎさん歓喜! パリッと焼けたソーセージとふわふわパンは文句なしの美味しさ。
デザートは、北欧の夏の風物詩、ベリーで〆ます。スウェーデン大使館で多くの家庭でベリーのケーキを食べると聞いたので、今回はパンケーキにイチゴとブルーベリーをふんだんに乗せていただきました。
「インスタばえする盛り付けにしないと!」と意気込んでいると、本間ちひろさんがプロデュースしてくださり、見事な「ばえパンケーキ」完成です。
パンケーキ食べたい♡
食後は焚き火を囲んで歓談。
会話の内容は……しいたけに塩をどれくらいかけるのがベストか。主婦を代表して飯田さんに塩を振ったり、ゆで卵の殻をむいていただいたりしましたが、おフランス帰りの重鎮グルメ評論家K氏のGOODサインも出て、和やかに祭りは終了しました。
焼きものを美味しくする秘訣は「仕上げの塩を怖がらないこと」と、あるフレンチのシェフが言っていました。え? こんなにふって大丈夫? というくらいで丁度いい。
(ONTOMO編集部グルメ評論家・K氏)
総括
全員が初めての夏至祭でしたが、雨の予報も吹き飛ばす勢いで準備をし、19時ころには日が暮れる日本でも十分に盛り上がりました。
みんなで一緒に歌って踊り、乾杯してお酒と料理を味わい、焚き木を囲んで語り合う。
人生には、「楽しむときは、とことん楽しむ!」というメリハリも大事ですね! そんな北欧や東欧の文化に触れる絶好の機会、みなさんもぜひお祝いしてみませんか?
ちなみに、翌日は通常営業でした。北欧では金曜日に夏至祭の前夜祭をして、翌日の祝日まで遊び、そこからたっぷり夏休みをとることが多いそうです。そこは典型的な日本人、完コピできなかった……(翌年への反省)。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
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