レポート
2023.03.10
いま聴きたい!クラシックでもミュージカルでも魂を揺さぶる声楽家

上原理生のバリトン・ヴォイスは、情熱と純粋を内包しながら、ジャンルを超えて音楽をつなぐ

東京藝術大学音楽学部声楽科を卒業後、2011年公演の『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役でデビューを飾ってから、常にミュージカルの第一線で活躍し続ける上原理生。デビュー時からその歌唱力は多くの人々に衝撃を与えた。近年はミュージカル俳優としてはもちろん、さらに活動の幅を広げている上原だが、声楽家としてジャンルレスな活動が目覚ましい。そんな彼の現在(いま)を存分に味わうことのできたコンサートが、2月26日(日)、埼玉県三芳町の「コピスみよし」で開催された。

長井進之介
長井進之介 ピアニスト/音楽ライター

国立音楽大学演奏学科鍵盤楽器専修(ピアノ)卒業、同大学大学院修士課程器楽専攻(伴奏)修了を経て、同大学院博士後期課程音楽学領域単位取得。在学中、カールスルーエ音楽大学...

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埼玉県三芳町は上原理生が育った街であり、「コピスみよし」は彼が成人式に参加した場所でもあるという。共演は東京藝術大学時代の同窓生である辻 博之(指揮/ピアノ)と山本清香(アレンジ/ピアノ)、Dramatic Orchestra Coppice(特別編成オーケストラ)。上原が信頼するアーティストたちが集い、思い入れの詰まった場所で行われたコンサートは3部構成であった。後述する通り、非常に幅広いジャンルを横断するプログラムだが、上原はまったく自然にそれを歌いこなし、圧倒的なステージを見せつけた。2月26日(日)に開催された、その「開館20周年コピスみよし音楽祭 上原理生 特別コンサート アーティスト 上原理生の現在(いま)を聴く」の模様をレポートする。

 

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上原理生(うえはら・りお)
東京藝術大学声楽科卒業。卒業時に同声会賞・アカンサス音楽賞受賞。在学中より《ドン・ジョヴァンニ》、《ジャンニ・スキッキ》、《こうもり》など、オペラ、オペレッタで舞台を踏む。2011年ミュージカル『レ・ミゼラブル』アンジョルラス役を射止め、以降『ロミオ&ジュリエット』、『ミス・サイゴン』、『1789 -バスティーユの恋人たち- 』、『ピアフ』、『マリー・アントワネット』 などのミュージカル作品に出演。クラシックコンサートを開催するなど声楽家としての一面も持ち合わせ、歌のジャンルを越えた架け橋のような存在を目指し、現在活動中。

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