羽生結弦が「命」「生きる」を問う、壮大なストーリーのアイスショーが開幕!
2014年ソチ五輪、18年平昌五輪の2連覇王者で、現在プロフィギュアスケーターとして活躍し続ける羽生結弦が出演・制作総指揮を務めるアイスショー「ICE STORY」シリーズ。この第3弾「Echoes of Life」の全国ツアーが、12月7日、さいたまスーパーアリーナで初演を迎えた。公演と終演後の囲み取材の模様をレポートする。
大学卒業後、(株)ベネッセコーポレーションに入社。その後、女性誌、航空専門誌、クラシック・バレエ専門誌などの編集者を経て、フリーに。現在は、音楽、舞踊、フィギュアスケ...
自ら出演・制作総指揮を手がけたアイスショー
フィギュアスケート男子シングルで66年ぶりに冬季五輪で2連覇を果たし、世界フィギュアスケート選手権では2度優勝、グランプリファイナルでは4連覇、男子シングル史上初めてスーパースラム(ISUが主催するISUチャンピオンシップである世界選手権とグランプリファイナルのジュニア&シニア、オリンピックと欧州選手権または四大陸選手権のシニアの6大会すべてで優勝すること)を達成するなど、競技者として圧倒的な強さと実績を残し続けた羽生結弦。
2022年よりプロフィギュアスケーターに転向し、自ら出演・制作総指揮を手がけたアイスショー「ICE STORY」シリーズで次々と成功を収め、プロデューサーとしての手腕も発揮。また、羽生自らの言葉とスケートで物語が紡がれていくという、革新的なアイスショーとして好評を博している。
今回上演される「Echoes of Life」は、「GIFT」、「RE_PRAY」に続くシリーズ第3弾で、羽生自身がこのアイスショーのために書き下ろしたストーリーのタイトルである。作品の中で羽生は、人生の旅路や成長をテーマに、“命”とは何か、“生きる”こととは何かということを問い、対話しながら答えを見つけていく。この壮大な物語をアイスショーで表現するにあたり、ひじょうに悩んだという(後記の本人コメントより)。
クラシックやさまざまなジャンルの音楽表現で観客を魅了
開演時間ちょうどに照明が落ちた途端、国内最大級の客席数を誇るさいたまスーパーアリーナは約1万4000人の大歓声に包まれた。まるで映画を見ているかのような迫力ある映像が流れ、ステージに置かれたカプセル型の装置から羽生が登場すると、会場はさらに熱気を帯びていく。羽生を乗せた装置が舞台から消え(セリ下がり)、間もなくリンクインするという粋な演出によってアイスショーは幕を開けた。本公演のセットリストは下記の通り。
[SET LIST]
1. First Pulse
2. 産声~めぐり
3. Utai IV ~Reawakening
4. Mass Destruction -Reload-
5. ピアノコレクション
5-1. 6 Pieces for Piano, Op.118 : No.3, Ballade in G Minor. Allegro energio
5-2. The Well-Tempered Clavier, Book1 : No.2, Prelude and Fugue in C Minor, BWV 847
5-3. Keyboard Sonata in D Minor, K.141
5-4. 12 Études, Op.25 : No.12 in C Minor ”Ocean”
5-5. 12 Études, Op.10 : No.4 in C-Sharp Minor ”Torrent”
6. Ballade No.1 in G Minor, Op.23
7. Goliath (2024Remix)
8. アクアの旅路(Piano Solo Ver.)
9. Eclipse/blue
10. GATE OF STEINER -Aesthetics on Ice
11. Danny Boy
12. 全ての人の魂の詩
【ENCORE】
EC1. Let Me Entertain You
EC2. 阿修羅ちゃん
EC3. SEIMEI
クラシックやポップス、ゲーム音楽など、さまざまなジャンルの音楽を用いたプログラムをすべりこなしながら、ショーが進んでいく。楽曲単体で聴くと前後のつながりが感じられない作品があるにもかかわらず、映像、照明、セット、衣装、ダンサーたちの踊り、そして羽生のスケートによって、「Echoes of Life」の世界観が広がっていき、最初から最後まですべてのパーツがピタリと組み合わさり、ひとつの作品になる様は圧巻だ。
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