編集部員が理想のオーディオスペースを探求!~生活空間でオーディオとどう暮らすか
編集部員がわがままなオーディオスペース作りに身を乗り出した!
いい音で聴きたい想いと、置き場所の制限やおしゃれさの追求などたくさんの妄想(要望)を胸に、銀座にあるオーディオのセレクトショップ「サウンドクリエイト」に突撃! スピーカーの聴き比べだけでなく、配置や家具とのコンビネーションまで、いろいろアドバイスしてもらいました。
東京・神楽坂にある音楽之友社を拠点に、Webマガジン「ONTOMO」の企画・取材・編集をしています。「音楽っていいなぁ、を毎日に。」を掲げ、やさしく・ふかく・おもしろ...
家で音楽をどう楽しむか、夢が膨らむ編集部員
特集「音楽と部屋」ということで、編集部員も理想のオーディオスペース作りに向けて一歩を踏み出すことに。有楽町にある海外オーディオセレクトショップのサウンドクリエイトで、店長の竹田響子さんのもと、スピーカー選びを体験しました!
以前のガジェット企画でオーディオに目覚めたオールマイティリスナーの編集部員Kと、オーディオ初心者で形から入るタイプの編集部員Mのコンビでお届けします。
まず、編集部員Kの要望はこんな感じ。
予算:高すぎないほうが嬉しいな
スペース:一人暮らしワンルーム
コンセプト:小スペース、すっきり、おしゃれ
続いて、引っ越しを控えた編集部員Mは、真っ新なリビングに妄想が膨らみます。
予算:∞(無限……?)
スペース:リビングの一部
コンセプト:家具も一緒にリビングをトータルコーディネートしたい
さて、どのようなスピーカーがぴったりなのでしょうか。
異なるタイプの3種類のスピーカーを視聴
竹田さん曰く、スピーカー選びの際には、3種類試聴することが多いそう。先にスピーカーを決めてから、アンプなどの必要機材をそろえていきます。
今回試聴に使用したLINNのアンプは、サブスクにつないでiPadで操作することができて、編集部員Kは早速アンプが欲しくなったもよう。先輩、そちら63万円ですよ!
はじめに、どのような音楽を聴くのか簡単に問診です。「ジャズはピアノトリオ〜スモールコンボくらいの編成が多くて、クラシックはオールマイティになんでも聴きます」と答える編集部員K。低音の鳴り方で好みが分かれることが多いそうです。試聴するのは以下の3曲に決定!
①ハービー・ハンコック: 『処女航海(1965)』より「処女航海」
②J.S.バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲より第1楽章
ジョン・バット指揮ドゥネーディン・コンソート(レーベルはアンプと同じLINN)
③バーンスタイン:映画『ウエストサイドストーリー』より「アメリカ」
試聴1:どの音域もフラットに鳴らすおしゃれスピーカー
竹田 こちらのスピーカーは、音をフラットに出してくるタイプです。
編集部K 心地いいですね。シンバルもガンガンこなくてナチュラルで、落ち着いた響き。
編集部M 人の声もいい感じ! 音量が落ちていくところは、立体的に静かになっていく感じがしますね。
竹田 見た目はコンパクトですが、広い部屋でも大丈夫なんですよ。例えば30畳でもふたつを離して置くと、十分に鳴ります。横に置くのもありです。
編集部K 横置きはまた聴こえかたが全然違いますね! リッチな感じ。
編集部M たしかに、まろやかに聴こえますね。
竹田 低音のキレが一番いいのは縦置きだと思います。置き場所がそんなにないから……と思わずに、ぜひいろいろ試してみてください。試聴もいろんな場所から聴いてみるといいですよ!
編集部K 音量を落としても、響きの豊かさは健在なんですね。ボリュームを上げても、決してうるさいということはないですし。
竹田 いいスピーカーの条件に「会話が通る」というのも挙げられます。生活空間の中でオーディオとどう暮らすか、考えてみるといいと思います。
試聴2:コンパクトながら豊かでたっぷりとした響きのスタイリッシュなスピーカー
竹田 次に試聴するのは、スイスのPIEGA(ピエガ)というブランドのアルミのキャビネットタイプです。リボン型のツイーターで、中高音域の反応が良く、空気になじむのも速いのが特徴です。
編集部K 優しい鳴り方ですね。生活に取り入れるスピーカーとしていいと思います。
編集部M 豊かでたっぷりした響きでいいですね!
竹田 部屋の一辺の端と端ではなくて、対角線に斜めに置いたりしてもいいと思います。
編集部M 響きがまた違って聴こえますね。斜め置きもいい感じ。キッチンから聴いたり、動きながら聴いたり、いつでも楽しめますね。
試聴3:細身で置きやすくて鳴らしやすい憧れのスタンドタイプ
竹田 次は同じPIEGAのトールボーイです。ブックシェルフスピーカーは、置台によっても音が変わるので、このように独立するタイプは意外と取り入れやすいと思いますよ。
編集部M 真剣に聴きたくなりますね。
編集部K 背が高いから、もっとグワっとくるのかと思いきや、とても聴きやすいです。
竹田 低音の量感が多い分、切れ味はブックシェルフタイプのほうがあるかと思います。
編集部K ちょっとシンフォニックな曲も聴いてみたいかも。
ベルリオーズ:《幻想交響曲》第2楽章「舞踏会」
編集部K 見た目は細いのに、シンフォニックな響きを楽しめますね! ハーモニーが溶け込んで、ホールにいるみたい。余韻がすごいなぁ。
編集部M 1回目はファーストヴァイオリンで演奏されるメロディが、後半でセカンドヴァイオリンになるときに、対向配置というのもわかりますね。聴き惚れちゃいます!
編集部K 弦楽器奏者のグリッサンドの感触まで伝わってきます。
竹田 そういう細かいところまで伝えるのは得意なタイプだと思います。スピーカーから離れたところで聴くと、さらにいいですよ。
スピーカー選びからのインテリア談義
竹田 いかがでしたか?
編集部K 自分はPIEGAの小型スピーカーがいいと思いました。スペース的にもちょうどいいですし。
編集部M 私は音は1つ目のLINNのものが好きだけど、鳴らし方を考えると、床に直接置ける3つ目のトールボーイもいいなと思いました。1つ目にする場合、家具も一緒に考えたいのですが、どうそろえたらいいでしょうか?
竹田 スピーカーを置くスタンドは、セミオーダーのものがおすすめです。こちらの「PYTHAGORA(ピタゴラ)」の棚は、コンセントがすっきりする工夫がされていたり、音の抜けがいいように側面に2本の空洞が開けられていたりします。
竹田 しっかりと採寸して作ってもらえるのでいいですよ。例えば、スピーカーにジャストサイズの小さめのスタンドを作って、下には本などを入れられるようにするとか……。
編集部M いいですね! ちなみに14畳のリビングなのですが、どう置くのがいいでしょうか?
竹田 こうしたら、ダイニングからも聴けます。ここにソファを置いて聴くのもいいと思いますよ。
編集部M わー! すごくいいですね! 長方形のリビングをどう使ったらいいのか悩んでいましたが、具体的にイメージできるようになりました。どうしよう、みんな欲しくなる!
編集部K コンサート会場で聴くと、否が応でも感動しますが、いいスピーカーはそういう体験をさせてくれるんですね。
竹田 私自身、スピーカーに携わるようになってから、クラシックも楽しめるようになりました。作品のことをよく知らなくても、魅力を感じるし、発見があるので、音楽の良さが伝わってきます。オーディオって、自分の好みを投影することもできるし、生演奏ではないけれど、それに近くて、また別種の感動があると思うんです。
取材後、胸が高鳴るふたり。住環境にいかにスピーカーを取り入れるか、選び方もとても参考になりました。それぞれの生活スタイルに合わせてスピーカーと一緒に生活するという考え方、とてもすてきですね。
編集部K 今回体験したような音環境を目指して!
編集部M サウンドクリエイトのようなおしゃれといいスピーカーの共存を目指して!
スピーカー購入の日は近い……!?
ヴィンテージも扱う海外オーディオのセレクトショップ。製品の提案からインストール、アフターフォローまで対応する。
住所:東京都中央区銀座2-3-5 三木ビル本館2F・5F
営業時間:水曜〜日曜 13:00〜18:00
定休日:月曜・火曜
問い合わせ:フリーダイヤル 0120-62-8166/Tel.03-5524-5828、03-5524-3643
公式サイトはこちら
関連する記事
-
「STAGE+ ステージプラス」活用ガイド! ユーロ高の今、夏の音楽祭はおうちで...
-
角野隼斗が語るApple Music Classicalの楽しみ方
-
クラシックに特化したアプリ「Apple Music Classical」が1月2...
ランキング
- Daily
- Monthly
関連する記事
ランキング
- Daily
- Monthly