ギター自慢その3:多様なスタイルの音楽を演奏できる自由な楽器
アーティストが自分の楽器の魅力をとことん語る連載「My楽器偏愛リレー!」。各楽器につき、3つの自慢ポイントを紹介して、次の奏者にバトンを渡します。今回は、アコーディオンのcobaさんよりバトンを受け取った鈴木大介さんによるギター自慢です。
作曲家の武満徹から「今までに聴いたことがないようなギタリスト」と評されて以後、アンサンブルとコンチェルトを含む膨大なレパートリーでの、明晰な解釈力と洗練された技術など...
世界中でいろんな人がいろんなギターを弾いている!!
ギターという楽器は世界中で演奏されていて、さまざまな音楽のスタイルの中に浸透しています。
スペインのフラメンコ、ブラジルのサンバやショーロやボサノバ、アルゼンチンのフォルクローレやタンゴ、アメリカのカントリー・ミュージック、フランスをはじめとするヨーロッパのジプシーたちのマヌーシュ・ジャズ、ロックやフォーク、ジャズのさまざまなスタイル、そして日本の演歌……これほどまでに多様な音楽の中で多様な楽器のシステムや奏法を分化、発展させてきた楽器があるでしょうか?
かつて、かの巨匠ギタリスト、ジョン・ウィリアムズにインタビューした際、彼がカメルーンの伝説的なミュージシャンであるフランシス・ベベイに教わったことを話してくれました。ベベイ氏曰く、アフリカでもっともポピュラーな楽器、それはギターである、と。なぜなら、民族楽器は部族によって多少異なるけれども、西欧からもたらされたギターは各部族共通だから、なのだそうです。
ジョン・ウィリアムズ(ギタリスト)
今日も皆さんがYouTubeを開けば、世界中のさまざまなスタイルのギターをお聴きいただけることでしょう。本日はその中でもかなりな変わりダネとして、僕がニューヨークのブランドン・ロスさんというジャズ・ギタリストの友人から15年ほど前に教わったこちら南アフリカのハネス・コーツィーおじさまをご紹介。
いかがでしょうか、ギターって自由ですね。
ギターの魅力を味わう作品
武満徹:「青幻記」
僕もいつかは、自分なりの“日本のギター・ミュージック”を発見したいと思っています。自分のYouTubeチャンネルからは、10月8日がお誕生日だった武満徹さんによる「青幻記」のギター2重奏版(鈴木編)をご紹介。オリジナルのオーケストレーションからギターの音色に移し替えられることで、邦楽の雰囲気やガムランの要素など、多彩な表現がモノクロな陰影を獲得したとでも言いましょうか、一層際立っていると思います。
さて、次回からバトンをオーボエ奏者の吉井瑞穂さんにお渡ししたいと思います。マーラー・チェンバー・オーケストラでのご活躍はもとより、ソリストとしてもますますお忙しくされている吉井さんのオーボエ自慢、とても楽しみです!!
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