アラベスクってなぁに? ドビュッシーやシューマン、ブルクミュラーの曲名の疑問に迫...
2020.06.27
136年前の今日、ドビュッシーのカンタータ《放蕩息子》初演!
1884年6月27日、パリのアカデミーで行なわれたローマ賞コンクール公開審査にて、ドビュッシーのカンタータ《放蕩息子》が初演されました。この作品で見事ローマ大賞を獲得! ドビュッシーにとって、3回目の挑戦でした。
この作品は、聖書の「放蕩息子」の物語を題材にした劇詩を台本に書かれました。登場人物は、放蕩息子のアザエル(テノール)、その母リア(ソプラノ)と父シメオン(バリトン)。劇的な構成をもった作品なので、ドビュッシーの死後には1幕物のオペラとして上演されたこともあるそうです。
マスネ風の繊細な感覚や情緒の陰影が旋律にはうかがわれるが、のちのドビュッシー独特の作曲法は、和声などの面ですでにその萌芽を認めることができる。
『作曲家別名曲解説ライブラリー ドビュッシー』(音楽之友社)199ページより
22歳の若きドビュッシーによるカンタータですが、すでに独自性が表れているのですね。
特に、前奏曲に続くリアのレチタティーヴォとアリアは、行方不明の息子アザエルを想い、悲しんでいる母の気持ちが劇的に表現されていて、聴き応えがあります。